すぴりっと☆しんどろぅ~夢(む)

葦端 芹(あしはた せり)

第1頁目 ― 1 ― 現実逃避 ――

   ― 1 ― 現実逃避 ――


 この世の中は、とても大嫌いな世の中だ。

 わがままが交じり合い、そして固定観念と縦社会が束縛する世界。

 この先の未来を創世するものたちにとっては、無駄な観念と世界だ。

 オレは、そんな世の中が嫌いで逃げ出している・・・

 逃亡ではない。単なる現実逃避だ!。

 今の仕事をボイコットして、現実から逃避して逃げ回っている。

 だからと言って、犯罪を犯して刑務所から逃げ回っているでもなく、

 ただ、今の日本の社会や、はっきりとしない不透明な時代が嫌いだから、今こうして逃げ回っているだけの事だ。


 成功した事業の自伝マニュアル本を読みあさり、読んだ本の内容を上司が意味も無く押し付けたり、

 成功した人と同じ事をやっていては、この世の中で成功していけない事が判らない上司ばかりだし・・・

 会社が不景気なのに、野球の試合( 観覧や社会人野球の参加 )で勝っ手に会社を休み、毎日何しに会社に来ているのか判らない上司もいるし・・・

 暇つぶしなのか? 仕事なのか? 暇そうに工程を見回りにうろついては、仕事内容を把握しないで注意をする、部長に課長に係長・・・

 何をするにでも、どの会社でも、このバカ上司三人が付きまとっている。

 本当に、融通(ゆうずう)の利かない、タテマエとねつ造の社会世界。


 監視員が見回りに来るその数日前には、社内データを全て良い方へとねつ造し、

 好感度をアップさせようとする嫌な心構え・・・

 そんな、ゆるんだ社会情勢・・・


 そんな事だから何年か先に非常時になり、社会やニュースや新聞にも取り上げられ、最悪を招くんだ。


 ・・・こんな社会が嫌いで今オレは、大好きな海に来ている・・・


 そんな世の中の事を、何もかも早く忘れたい。


 静寂した大空と輝いた海に、波打つ潮の香り・・・

 この道路沿いのガードレールから見える海を見ていると、心が安らぎ癒される・・・

 この、留萌の黄金岬から見える日本海が一番好きだ!


 オレは今、そんな世の中から離れたいが為に自分探しの旅に出ている・・・

 そして、一軒の安アパートを見つけた。




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