第28話 い、妹・・・・・・・・・だと?


 えと、妹を出します。すいません。

もち、主人公の妹です。出したいと思ったので、出します、はい。

設定上では、今まで修学旅行に行ってたっていうことで。

(修学旅行長ぇよってツッコミはなしで)

中3ってことにしてください。

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 水族館、続いて展望台、らしき場所から帰ってきた俺とアロラは家のドアを開けた。

 そこで、気づく。

朝より、靴の数が一足多い。

「そっか。帰ってきてたか」

「え?どなたですか?」

と、奥から靴の持ち主が姿を現した。

「お兄ちゃん。おかえり・・・」

ダルそうな眼をこすりながら。


「・・・・・・え?お兄ちゃん?え?妹さんですか?」

戸惑うアロラ。

そういや、言ってなかったな。妹いるの。

「どうも。アロラさん、ですね。彼方の妹の愛音あねです。兄がいつもお世話になってます」

丁寧にお辞儀をする愛音。

愛音・・・・・・・・・兄・・・・・・。

 似てるな。

「い、いえ!これはどうも、ご丁寧に。彼方さんには、いつもよくして貰っています」

少し驚きながらも流石は女神。

こちらもお辞儀を返す。


 

 さて、俺と愛音だが、別に兄妹仲は悪いわけじゃない。

昔からぼーっとしてるわりには、しっかり者の愛音、超好奇心旺盛な野生児だった俺。

小さいころは、俺の後ろをチョコチョコ付いてきて可愛かったなぁ。

「何を一人で頷いてるんですか?キモいですよお兄ちゃん」

なんで、こんな物騒な子に育ってしまったのか・・・・・・・・・。

だが、しかし、決して兄妹仲が悪いわけじゃない・・・・・・と思いたい。


 

 「ところで、お兄ちゃん。高校はゴールデンウィーク明日で最後だよね」

「うあ?まぁ、そうだな・・・・・・。どうかしたのか?」

愛音に言われて思い出した。


 明後日から、学校か・・・・・・・・・。

憂鬱だ。

富士見彼方の憂鬱だ。

「むっ、なにかアニメの匂いが」

アニメを匂いで追いかけるな、女神!

「えと、課題とかは終わったの?」

「まぁな」

ただ、GWの間ゴロゴロしてたわけじゃない。

俺だって課題くらい出すのだ。


「じゃあ明日一日私にくれないかな・・・?」

垂れ気味の瞳が、買い物に付き合ってくれと訴えてくる。

「ああ、いいぞ。何買いに行くんだ?」

愛音がこうやって頼み事をしてくる時は大体買い物だ。

「それは・・・・・・秘密」

まぁこいつも年頃だしな。

秘密の一つや二つぐらい・・・・・・・・・ハッ!!まさか好きな男児でも出来たのかっ!?お兄ちゃん認めないぞっ!!


「あの、私もついていっていいですか?」

アロラがおずおずといった様子で手をあげる。

「はい、もちろんです」

ほんの少し口角を上げ、肯定する愛音。




 こうして、明日は、今日とは違うメンバー3人で出かけることになった。





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