その5
うわぁ……、下の女子連中がひとりをそれはそれは陰湿にいびり出したよ。4人が絶え間なく、ひとりの脚を軽く蹴り出した。
1VS4かよ。まさに四面楚歌。精神的にもキツイわな。ふんふん、なるほどね~。
「おいおい、ちょっと待てよ。あんたらさ」
不意に上から声をかけられればそりゃビビるだろう。
「悪いが話が聞こえたんでね。俺、2年の船見だ」
下に降りるドアの前に遮るように降り立つと、ずずいと集団の前へ出た。
「な、なによぅ」
「あんた、船見って有名な無能力者ね。不良じゃない?」
必死に自分らを鼓舞しようとしているが、中身は年頃の女の子、ましてや4対1で相手をいびろうって程度の輩だ。不意打ちな展開に腰が砕けるのも当然だ。
「無能力者なのは確かだがね。俺は男でもあるんだなあ。その女の子に当たるのは筋違いだろう?」
続く。
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