その2
見下ろすと、俺のいる場所の下にある、屋上へ上がるためのドアが開いた。俺がいるのは一応校内では一番高い場所となっている。もちろん上がるためのはしごも階段もない。
誓っていうが、覗き見しようとしたんじゃない。こっちが目を丸くしてる間にあっちが勝手に始めやがったんだ。
それにしてもあの様子じゃセンサー類の存在を知らないようだぞ? 下手すりゃこの光景、別の場所からの望遠カメラでフルハイビジョンで収められている可能性がある。そんな最低限のセキュリティ意識もないなんて、どこのお嬢様連中だろう?
ひとりの女子を4人が取り囲んで責めて立てている、って図式か。ブレザーの袖の色から全員二年生。俺と同じ学年とわかる。
全員、左手首に銀色の腕輪をしている。
なるほど。全員そろって”特殊能力者”さまってわけですか。
続く。
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