銀髪盗賊団の盗品ファイル
@mysteryDreamer
No.1 この世界を脅かす神器に封印を!
プロローグ
この日、俺はクリスに呼び出された集合場所こと喫茶店でクリスを待っていた。
しかし、10分ぐらい待っていても来なかったので、先に何か頼むことにした。あのクリスが遅刻なんて珍しい。
「すいませーん」
俺は店員さんを呼ぶと、飲み物を頼んだ。もちろん、クリスの分もだ。
注文を終えると、喫茶店の入り口が開き、そこには俺の待ち合わせ相手がいた。
「ごめんね。助手君。待たせちゃって」
「今日は遅かったですね。お頭」
「いやー、途中で迷子を見つけちゃってさ。どうにもほっとけないからエリス教の教会に預けに行っててさー」
クリスはそんなことを頬の傷を掻きながら言ってきた。
さすがはホントの女神様。にくらべてうちの女神ときたら………いや、せっかくエリス様と合会っているのだ。あいつのことを考えるのはなしだ。
「で、話って何なんですか?」
大体聞かなくても予想はついているが、
最近モテ期絶好調の俺なら、もしかしたら「助手君!実は…君のこと好きなの!付き合って!」ってのが来るかもしれない。
そんな淡い期待を共に訪ねると
「えーと…まあ簡単に言うと…また…神器の回収を…」
やっぱりそれか。まあ期待なんてしてませんでしたよ。
もちろん俺はすぐさま
「嫌です」
「なんでー!?」
「前も言いましたが、最近モテモテでお金もあるんです!これ以上危険なことする必要ないんだよ!」
「頼むよ!君しかいないんだよ!それに、この神器を回収しなきゃそのモテモテもお金も一気に吹き飛んじゃうよ!」
「ん?…どういうことだ」
モテモテもお金も吹き飛ぶだと?
そんな俺の疑問は、次のクリスの一言によって書き消された。
「今回、盗む神器は…世界を破滅させる神器だよ…」
クリスはそんなことをさらりと…
「今、なんて?」
俺は思わず聞き返した。
「呪文を唱えると世界を破滅させる神器なんだよ。それをどこかの誰かが呪文を唱えちゃって、それが発動して一週間後にこの世界は破滅しちゃうんだ。だからその前に、それを回収して二度と人の手の届かぬとこに封印しなきゃいけないんだ」
やべぇじゃねぇか。世界破滅とか。世界破滅したらアイリスにも会えなくなる。というか全員死んでしまう。もちろん目の前のクリスも、ウィズもダストもゆんゆんもアクセル街の皆もバニルも……バニルは地獄で活きていけるか…
そして何より、あの三人と会えなくなることだを考えると…
俺は、クリスに告げた。
「お頭。やりましょう」
「その返事待ってたよ」
クリスは嬉しそうに言った。
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