決勝戦終了
「これで一通り、今回のモノマネは出そろいましたね!」
「また突発的な新キャラ混じってる……。イケメンとか、もはやファンタジーとかWEB小説とかの括りですらない」
「あ、その人ゾンビさんですよ。温泉の効能が『美肌・疲労回復・若返り・蘇り』だったので人間に戻ったようですね」
「何だそのファンタジー効果!? なぜ熱海にそんな超常現象起こる温泉が湧いてるんだっ!」
グガハハハ。それがさはぎん旅館の名物だからな。ではサハギン、CMをお願いする。
「……了解しました。自分が経営するさはぎん旅館は温泉も料理も一級品を提供しております。お土産コーナーも充実しており、若返りの湯も数量限定で販売しております。お近くに寄られましたら、ぜひご宿泊してみてください。いまならインプ絵はがきを無料で差し上げてます」
よし、ありがとうサハギン。
「急に架空の旅館のコマーシャルを流すな、ややこしい。フィクションとはいえ熱海にチート温泉があるって誤解を招くだろ」
大丈夫大丈夫。あの湯は浴びて一日経つと、少しずつ効果がなくなるから大したことはない。ゾンビも時間が経てば体が腐り、皮が剥がれやすくなり、肉が剥がれやすくなり、最終的にグロテスクなアンデットらしさを取り戻すだろう。
「大した事なくはないし、そんな猟奇映像が熱海で発生したらその時点で風評被害だ」
さぁ魔王よ。今回の熱海編の評価はどんな感じだ? 日常的でほのぼのしていただろう?
「いや、それほどほのぼのはしてないと思う……。ちょいちょい闇を含んだネタが混じってた気がするぞ。ゾンビとか、レイスとか……」
もういい加減ネタを出し過ぎて同じ方向性のモノマネが思い浮かばなくなった者がいるのだろう。スライムやスケルトンなど、ネタが思い浮かばなかったレギュラー陣も何人か審査落ちして悔しがっておったぞ。主に熱海に行けない点で悔しがってた。
「観光できないのが悔しいだけだな、そいつら……。でもドラゴンはマンネリなのにまた似たようなネタで出張ってるな。名義が完全に大トカゲにシフトしちゃってるけど」
まぁ、あいつは予算が低いおまけみたいなものだから気にするな。とにかく、そろそろ審査を始めよう。いい加減、順位付けも意味の薄い物になってるからそろそろ形式を変えたいがな。
「最近、裏事情のブッチャケも激しくなってるなこの大会。最初からそんな感じではあるけど」
まぁ、そこら辺は触れないで進めていこう。そういうのはやりすぎると読者が逃げるし。
「――? そう言えば側近が途中からいなくなってるな。今度はどこ行ったんだ」
ゾンビやらサキュバスやらと一緒に、お土産コーナーへ走っていったぞ。若返りの湯が売り切れないうちに買いたいらしい。
「セールに走るおばちゃんかアイツは」
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