第三回大会

オープニングトーク~宇宙船団魔王軍・ガイアへ行く……~

 ウェーブ歴××××年……青き星、ガイアへと近づく宇宙船団があった。

 その名は「魔王軍」。宇宙を支配するため星から星へと渡りゆく侵略生命体である。

 今日も彼らは、ガイアの生き物達の生態を調べている。間もなく訪れる、ガイアを侵略するその日に備えるために――。



「魔王様! 特殊望遠鏡からもガイアが見える範囲へと差し掛かりました。宇宙ワームホール転移システムは問題なく稼働できたようですっ!」

「……ちょっと待て側近。いきなり設定がおかしいぞ」

「は。どう言う事でございましょうか」

「我々は宇宙船団じゃないだろ。ファンタジー世界の住民だろ。前回大会から設定変わりすぎにもほどがある。いったい何があったんだっ!」

「安心してください、そういうのじゃないですよ。ほら、よくあるでしょ? 『我はエジプトのクイズ王っ! 100万円が欲しければ、クイズをクリアしろ!』とか『今年のドッキリ研究所のテーマは爆破。ではリアクション芸人の愛車を爆破した反応を研究しましょう!』って言う変な裏設定を付けるバラエティ番組。あれみたいなノリです」

「……突然説明もなく作品内コントとか、ややこしい事をするのではない。と言うか貴様がバラエティ番組知ってる時点で世界観は既にぶれまくってるだろうが」

「第一回大会からSFのモノマネが出てたのに、今更ですよ」

「屁理屈を言いおって」

「とにかくガイアが迫った今、我々はガイアの生き物達の生態を調べる必要があります。そこで今こそ、第三回細かすぎるけど多分伝わるWEB小説モノマネ大会を開催するのですっ!」

「はいはい、そう言う設定で始まるわけだな。今回の設定は分かったから、本題を進めてくれ」

「もうちょっとノッてくださいよ、やりがいの無い。えーと、今回はとある公募の参加文字数を稼ぐ意味合いで緊急で開催した経緯があるため、特別篇の無いシンプルな構成となっています。初回と同じ通りに、ゆる~い感じで見てくださいませ」

「利権に目が眩んで見切り発車開催とか、昨今の業界によくありそうな縮図をWEB小説に持ち込むな」

「なお、今回のゲスト審査員としてこの方をお呼びしました。魔王軍のマザーコンピュータです」

≪私の審査は、全て平等に行われます。魔王軍は平等に、私の指示に従う事で平和が保たれます≫

「コンピュータ出てきちゃってるではないか……。完全に世界観ぶっ壊れてるではないか……」

「前回、機械兵が出ちゃってるんですからそれも今更ですよ。あとこのコンピュータは、モノマネも出来るんですよ。試しにやってみて貰いましょうか?」

「いや、機械なら模写ぐらい割かしできるだろ。前回のゲストと同じノリでネタフリするな」

「まぁまぁ、ここでネタふらないとオープニングが終わりませんから。お願いしますって」

「どうせまた我にモノマネさせる流れに持っていくつもりだろ。そうそう同じ手に引っかからないぞ」

「えー。魔王様、モノマネやりたくないんですか? 仕方ない、じゃあ私が一番最初にやります」

≪それは不要な作業です。マザーである私が全てを先導する役割でなければいけません≫

「いえ、ここは第一回大会から参加している私からやるべきですっ!」

≪今大会の権限は私の方が上位と判断。私の役目です≫

「私がやるべきです!」

≪私の役目です≫

「私です!」

≪私です≫

「――こら貴様ら、王たる我の前で喧嘩をするでないっ! そんな事言い続けるなら、我がその重要な役目を奪うぞ!?」

「どうぞどうぞどうぞ」

≪どうぞどうぞどうぞ≫

「……えっ」

「はい、と言う訳でオープニングモノマネしましょう。まず最初は魔王様のモノマネからでーす」

「き、貴様らっ、はめおったなぁっ!? そう言うネタフリは熱湯風呂の直前とかでやれぇっ……!」

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