第45話「【緊急速報】 アニメ化決定のお知らせ!!…ですか?」
「おはようございます。ヘルプデスクの皆藤です」
皆藤が皺ひとつないスーツで直立不動であいさつします。
その横の一歩さがった位置に、夢子、悠、圭子、そして小さなテーブルの上にノートパソコンが並んでいます。
しかも、全員小さな舞台の上に立っています。
「とうとうこの時がやってまいりました。いつも読んでいただいているみなさんに、このような嬉しいご報告をできること喜ばしく思います」
夢子が一歩前にでます。
「ななななんと、【はい、ヘルプデスクです。 ……変な質問しないでください!】がアニメ化決定となりました!」
全員で拍手喝采です。
それがひと段落して、今度は悠が一歩前にでます。
「皆様のおかげで1千万アクセスを突破した、この人気作がアニメ化されることは非常に喜ばしいことですわ。アニメでもきっと、わたくしの美貌が輝くことでしょう」
圭子が前にでます。
「ちなみにタイトルは、【はい、ヘルプデスクです!】に縮小されます。詳しいキャストについては、まだ発表できませんが、豪華制作陣と素晴らしい声優の方々の名前が挙がっております★」
そう話した後、圭子がノートパソコンが載ったテーブルを前に動かします。
そのノートパソコンのスピーカーから声が愛らしい響きだします。
「ちなみにオープニングは、この私、ミクリが歌っているという設定で、なんととある超有名ボカロPがポカロで作るというチャレンジ精神旺盛な企画です」
どうやらレギュラーの座を南から勝ち取ったようです。
「しかし、よくアニメ化が決定しましたね。これだけ、時事ネタ、商標、歌詞、個人名が伏字ながら登場しているから、アニメ化どころか出版も絶望的だろうと思っていたのですが」
さらっと皆藤がきついことを言います。
「そうですね。皆藤部長の仰るとおり、問題になっていたみたいですよ。それをウルトラCで解決するそうです」
「ウルトラC?」
「はい。なんと、驚異の全編書き直し!」
「……鬼ですか。その企画だした人、鬼でしょう」
「すさまじい力技にでましたわね」
「つまりわたしたち、2倍働かされるということですか? 時給はその分もらえて、残業代も作んでしょうか? それならいっぱい稼げていいかも★」
「今、入った情報によりますと……」
ミクリが説明します。
「こちらの作品とはパラレルワールドということで、べつに考えてほしいとのことでした~」
「じゃあ、給料は増えないんですねぇ」
「とにかく放送は、2017年秋! ちなみにテレビではなく、ネット放送のみとなります!」
「何はともあれ、これからも【はい、ヘルプデスクです】をよろしくお願いいたします」
皆藤が頭を下げるのと同時に、みんなが頭をさげます。
全員の笑顔がこれ以上ないぐらいにまぶしく、この物語の前途が明るいことを示しているかのようでした。
きっとアニメ化も大成功することでしょう。
私の気分も最高です!
これからも応援よろしくお願いいたします。
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■用語説明
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●「とうとうこの時がやってまいりました」
4月1日です。
●「アニメ化決定となりました!」
エイプリルフールです。
●「1千万アクセスを突破した」
エイプリルフールです。
●「わたくしの美貌が輝くことでしょう」
エイプリルフールです。
●「豪華制作陣と素晴らしい声優の方々の名前が挙がっております★」
エイプリルフールです。
●「オープニングは、この私、ミクリが歌っているという設定」
エイプリルフールです。
●「時事ネタ、商標、歌詞、個人名が伏字ながら登場しているから、アニメ化どころか出版も絶望的」
本当です。
●「驚異の全編書き直し!」
絶対にエイプリルフールです。
●「パラレルワールドということで考えてほしい」
エイプリルフールです。
●「放送は、2017年秋!」「ネット放送のみとなります!」
エイプリルフールです。
●この物語の前途が明るい
エイプリルフール……で…す。
●アニメ化も大成功することでしょう
エイプリルフールです。
●私の気分も最高です!
エイプリルフールです。
思ったより自虐ネタで心にむなしさが広がり、やらなければよかったと本気で後悔しています。
●これからも応援よろしくお願いいたします。
お願いします……いや、まじで……。
※実は、2016/04/01のネタです(笑)
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