パルテン物語

H.H.giger

第1話 黒い軍勢


ここはある村の広場 中心には周りを暖かく包み照らすように、火が大きくたかれていた。子供がおりゃと腐りかけの果実を投げる、投げられた方も投げ返す、そして村人はそれを見て笑いながら見守る。誰かがバカをしバカをし返す。これがこの村の毎晩の風景の様でもあった。しかし、村人の笑い声を止める様に危険を知らせる笛が吹かれた。子供達はこの異様な風景に恐怖を感じ、ぐずり始めた。母親達も大丈夫 大丈夫と泣きやまそうとしたが、そうしている親たちの表情にも不安と懸念が入り混じっていた。村の男たちは女子供を避難させ、物資を持った男も避難させた。村の男のリーダー格が見張りの男を避難させるからといい、他の武器を持った男たちも避難させる。(やはり本当だったのか) リーダー格の男が見張り台についた。「おい、もう避難は済んだ。我々もう避難すぅ」黒く大きな刃の様なものが男を刺す。「あそこだ、始めろ」と合図と共に見張り台から死体を転がした。暗闇から黒く恐ろしい顔のものが一斉に避難所に向かい、避難所の門を囲う。恐ろしいもの門を開けようとすると、異変察知し武装していた男たちが飛び出してきた。しかし、一斉に矢を放たれ男たちは息絶えた。恐ろしいものが避難所に入るとそこには誰もいなかった。「聞きそびれたか」と軍勢のリーダー格が言い、見張り台を睨みつける。「火を放て」合図と共に村は火に包まれた。

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