謙虚な魔法少女は電脳アイドルの夢を見るか?
武論斗
第一章 千葉市憂愁(チバシティ・ブルース)
プロローグ 〜 変身物語 〜
わたし、
春から
三歳の時、
あ、そうだ。魔斗華というのは、勿論、
某魔法少女アニメのヒロインとK-1ミドル級チャンピオンの名からインスピレーションを受けてつけました。
旧魔法名は、
春休みなのでMPを貯めようと街を散策。
MPっていうのは、マジックポイントのこと。
Mポイント、っていったほうが馴染みがあるかな?
そうそう、提携しているお店で商品購入とかサービス利用すると付与される、アレ。
わたし達、魔法少女にとってMPは、ただのポイント還元とかじゃなくて、もっと重要なモノ。
呪文とか魔道具とか購入するのに使える唯一の仮想貨幣、それがMP。
魔法少女の場合、代金支払い以外でもポイント付与されます。
その方法が、
わたしは、変身デバイスがスマホなので、ガマぐちケータイ機能をそのまま利用、とっても便利。
個別のマジックショップから世界最大のショッピングモールAmazing.comでの購入にも使えるから超便利。
冥世の仝儕っていうのは、お化けみたいな、幽霊みたいな、ゲームに出てくるようなモンスター。
結構厄介な連中で、人間に危害を加えるような危険なモノも多いので、わたし達、魔法少女が出番になるの。
魔法少女がみんなの憧れの存在なのは、これが大きな理由なの。
今日もいつもと同じコースを徒歩。
院内から栄町に抜け、ハミングロードを通り、千葉中央公園へ。
ここで折れて信号を渡り、富士見のナンパ通りを進み、スクランブル交差点を渡って国道14号へ。
千葉トヨタを右折、JR千葉駅西口迄北上、西口階段を上って北口ロータリー、千葉公園方向に進み、池尻地下道を抜けて東口。フクロウ交番方面から左折して千葉市民会館方面に歩き、要町に到着。
このJR千葉駅時計回り周回ルートは、わたしが作った
比較的人通りが多く、小学生の足でも何とか回れ、しかも、冥世の仝儕との遭遇率も高い、魔法少女に打って付けのコース。
いつも利用してるから
封縛っていうのは、魔法少女特有の一種の結界のようなもので、これを張った範囲内では魔法少女の魔力と身体能力は平時の約3倍になり、この空間内の造物主に近しい存在になるの。だから、封縛内であれば、冥世の仝儕との闘いで街が傷付いても修復可能だし、聖職者特有の奇蹟を起こすことも叶うの。
冥世の仝儕も封縛に似た
──という訳で散策、散策。
栄町公園の方で封縛が自動発動。
“なに”かが引っ掛かった。
栄町公園っていうのは、公園とは名ばかりの金網に囲まれた雑草だらけの空き地。
この辺りは、環境がよくないので大人達は行ってはいけない、っていわれてるんだけど、
今の装備品だと若干不安はあるけど、行かなきゃ、だよね!
怪しげな街角に走り込みながら変身スマホ
見窄らしい公園に飛び込みつつ、魔法の合言葉!
『リリカル・マサクル・グリモワール♡』
起動音──メタモルフォーゼッ
両目を閉じて吹き上がる風を全身に受ける。
続いて、 大音量のBGMと共に光のマジカルエフェクト発生。
あらゆる角度からのカメラアングルを伴い伸身捻り、一瞬だけ素っ裸。
体の各種部位が輝き、磨かれた宝石を鏤めた稀少金属の鎧が出現。
全ての部位の装甲が装着されたら目をカッと開いてポージング。
かっこよく決めた背後ではピンクのスモークを上げる爆発。
──チェーンジ・ウィッチ・アームド・フェノミナン!
魔法少女
そして、名乗り口上。
「蓮池に咲くピンクの大輪の花、
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