No.2227.沁みついた奴隷の香り

朝から吹雪いてる

眼鏡にも 貼り付く

曇りに曇って 視界もやばい


唐突な低気圧

発達を繰り返し

歴史上 並ぶもののいない強さ


車のエンジンも 凍り付き

フロントガラスも 霜に屈した


それでも 休む事叶わぬ

沁みついた奴隷の香り

寒さと生命を天秤にかける冬


未だに凍えてる

指先が 痺れて

ハリツクままの コーヒーの缶


絶望の乱気流

雪刃が宙舞い

凍結する 赤色の血の桜吹雪


視界がゆらめいて 消える音

思考がまどろむ 声も砕けた


それでも 休む事叶わぬ

沁みついた奴隷の香り

寒さと生命を天秤にかける冬


循環をやめ 冱(イ)てついた心

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る