No.2015.降り積もる雪達

雪解けの街 危なげな足取りの人の群れ

まだ 肌寒い 冬の風 銀の髪を梳いてく


優しい眼差しの君は きっと 僕の気持ちには 気付いていない

そんなに 見つめられると 正直困る


何気ない切っ掛けで 人は出会うもので

オレタチも その中の一つだった


すれ違う 様々な人達

ほとんどがすれ違うだけ


緩やかな下り坂歩く二人

足を滑らせた君を 咄嗟にオレが抱き締めた

ごめん ありがとう そう言ったキミは少し照れている


降り積もる雪達は今年も いつも通り

でも なんだろう 心做しか 淋しそうかな

まるで この心をうつしているかのようだ


隣でハニカミながら オレから離れたキミ

ドキドキしていた胸の音 聞かれてたら どうしよう

そんな事を考えていると 顔をまともに見れない


純情なんて言葉 何処かに置き忘れたのに

何故 こんなにも 何故 どうしても

始めて誰かに 恋したみたいになってしまうのだろう


寒い日が続き 吐き出す息も街も白

春 なんてもの まだ遠い みたいだ


手袋に マフラーの君は たぶん 僕の想いには 気付いていない

そんなに 微笑まれると 正直 困る


人は存外に簡単に恋してしまう

オレのコレも そんな中の一つだな


憧れだったりもすれば

ギャップにやられたりもする


一緒に帰るようになったのだけど

きっかけは 一体 どんな事だったのか

何故だか はっきりと 覚えていなかったりする


降り積もる雪達は今年も いつも通り

でも なんだろう 心做しか 淋しそうかな

まるで この心をうつしているかのようだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る