No.1703.体温

結局 一睡も出来ずに 紅茶を入れようとして

テーブルに足の小指をうちつけて 爪がはがれた

完全に覚醒はしたけど

弾けた爪がゆっくり 宙を舞って消えた


一気に気だるさが増して なんだか 何もかもどうでもよくなった

何するでもなく拾ったピック

転がってる壊れたギブソンかき鳴らしてみた


ある日突然 俺たちの集まりに飛び込んできたおまえ

最初から 意識してたわけじゃなくて

何か手伝ったり 助けたりしてるうち

どこにって聞かれるとわかんないけど 惹かれていった

考えるだけで こう なんていうか 胸が熱くなる


それが恋なんだって気付くまで少し時間はかかったかもしれん

声を聞くだけでも その体温を感じたくなる

メッセするだけでも その体温に触れたくなる

写真みるだけでも その体温が欲しくてたまらん


人生 わからないものだ 一途って奴が燃える

それにしても やっぱり右足に 痛みが走る

本当は逃げ出したかったから

歯を喰いしばって じっくり 星なんてみていた


アンタレスが俺を叱咤する 何もせずに諦めちまうのか

玉砕してもいい ぶちまけろ

言わずに後悔するならボロボロに傷つけ


今この時も すぐ側で 楽しそうに微笑んで話してる

いつからかな 気持ちごまかして ヤメヨウトシタ

だけど それじゃ駄目だ 避けちゃ駄目なんだ

どこらへんだろうか わかんないけど 惹かれていった

想い めぐらすだけで なんていうか 胸が熱くなる


それが愛なんだって気付くまで少し時間はかかったかもしれん

声を聞くだけでも その体温を感じたくなる

メッセくるだけでも その体温に触れたくなる

写真みるだけでも その体温が欲しくて たまらん

その体温を奪いたくて たまらんよ たまらんよ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る