No.1686.溝鼠
リスク承知で賭けてみて見事に負け犬になっちまった
失うだけ何もかも失って
lostした人生は下水の中に消えていった
すれ違った女子高生に笑われた気がして
恥ずかしくなって走り去った
コンビニの帰りアパートの前の排水溝に逃げ込んだ
一匹の溝鼠と俺の目が合った
汚物にまみれてもゴミを漁ってでも生き延びているおまえ
汚い バイ菌だらけかもしれないけども
それでも 生き残る為にかけずりまわる
愛する者も失って目的も失ってしまった
今の俺とどっちがましなのかな
五体さえ満足に動かないこの状況はヤバイ
右足は痺れて麻痺してるし
喉が渇いたけど水を飲む勇気もない
目が合った女子社員に睨まれて凄まれて
たじろいて後ずさりした
この手には何もない 自分自身にも愛想つかして
気力も何もこそぎとられて
全てがどうでも良くなって
やけくそになってこの身は四散した
あの時出会った溝鼠がじっと俺だったものを
少し離れた路地から眺めていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます