No.1594.醜い死神

醜い死神は一人の少女に恋した

薄幸の少女に恋してしまった

父親のような片思いのような

なんとも相容れがたい気持ち


家族を失い復讐もままならず

生きていく意志も死ぬる意思も

深い暗い黒い海の底


彼女に何も求めず

静かに一人静かに

じっと見つめている

片時も目を離さずに

別れが来るその時まで


醜い死神は一人の少女に恋した

薄幸の少女に恋してしまった

父親のような片思いのような

掟をやぶりわかっていながら

醜い死神は砂になって消えた

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