No.576.魔望

いじらしく 泣き出すふりばかり

確信の問題は 置き去りにして酔いしれ

我を忘れて 一枚一枚 そっと 服を引き剥がす


爪に食い込んだ 柔らかい感触

慟哭も存在も失い

壊れた体で 今日も闇に囚われる


焼け焦げた 野原の囁き

かき消された 未来に軽蔑を示し

主無き 館の住人


いとおしく 微笑む姿無く

絶望の閂は 閉められたまま 腐れ

性に溺れて 一つ一つ ずっと壊れ続ける


舌に絡みつく 液体の感覚

欲望も罪悪も ない交ぜ

歪んだ心が 明日の血を求めてる


弾けとんだ 理性の消滅

撃ち込まれた 脈動をじっとなめてる

姿無き 悪魔の生贄

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