No.483.鉄のからくり城

ばらばらになった赤い鎖 粉々になった銅の扉 青みがかった鋼の鎧

霧につつまれた 鉄の巨大なからくりの城


通過した後に残るのは 残骸の嵐 めぐみなき極み

惨め色に染まった 月の地表が やけにはっきりうつりこむ

いかなるものもうけつけぬ 鉄のからくり城

大地をきりさき 空をくずし突き進む

いかなるものも うけつけぬ 鉄のからくり城


もとめしは 恐怖と絶望なのか

もとめしは 破壊と混沌なのか


激烈の灼熱の蒸気が吹きすさぶ

爆裂の高熱の粒子が突き抜ける


ぐにゃぐにゃにとけた銀の柱 どろどろの金の剣

いかなるものも うけつけぬ 鉄のからくり城


もとめしは 光と闇なのか

もとめしは 崩壊と再生なのか


心を吸い尽くし 魂を焼き尽くす


いかなるものも うけつけぬ 鉄のからくり城

無尽蔵に 暴れている 鉄のからくり城

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