No.418.遠い初恋の少女

遠い記憶の彼方で泣いている少女は雪に包まれている

大都会の喧騒に もみくちゃにされたまま

忘れたはずの初恋の傷口 引き裂かれる


窓から見える景色は味気ない 人口建造物の連なり

色気のない無機質の壁が 網膜を止めてしまう


微かに茶色かかった髪の毛を そっと なでていた

すこしかじかんだ 指先がぽっとあたたまる


長い夢のすみで おどけてる女の子はかわいく はにかんでいる


希望も絶望も一緒くたにしたままに

消えたはずの愛情の駆け引き 繰り返してる


扉からとても寒い風がふき 身も心も凍り付いてく

吐き気をも飛び越えゆく 逆流してゆく 鳥肌までもたちゆく


ほのかに咲きはじめた花の音色をじっと聞いていた


やけに香り行く花びらを ちょっと噛んでみた


白いワンピース ユリの模様 草原の二人

ひとつひとつのしぐさ

記憶の中の少女は

初恋の中の少女 初恋の記憶

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