No.398.wish flow

激しく降りしきる雨 火のついた 煙草くわえながら

静かすぎる 路地 歩く

濡れた前髪が 目にかかり 視界を塞ぐ

鎖につながれた犬みたいに 身動きもとれず

やたらとすごいはやさで過ぎ去る時間


おいしいのもまずいのも 同じ味しかしない

あの娘は 今頃 あの男に抱かれてる

立場なんて どーでもいいけど

気付くのが 遅すぎた

あの場所 あの時 見送る事しかできず


誰も答えてくれない部屋

びしょぬれのまま あてもなく

しがらみに縛られたまま

明日もまた 己を殺し

違う娘に 抱かれているのだろう


この手に握る事かなわぬまま

ああ このまま 一緒に流れてゆきたい

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