No.265.春夏秋冬

冷たい雨 骨まで染みる雫

役立たずの言葉 ポケットにしまいこんで

越えられない 山の前で立ち尽くす

もうこの手は 君には届かない


春の優しさも 夏の激しさも 秋の静けさも 冬の淋しさも

もう誰のものでもない


激しい傷 肉まで食い込む

無駄になった旅路 財布に入れ直して

渡りきれない 海の側 泣き伏せる

もうこの手は 君には届かない


春の優しさも 夏の激しさも 秋の静けさも 冬の淋しさも

もう誰のものでもない


そう 春の優しさも 夏の激しさも 秋の静けさも 冬の淋しさも

もう僕のものではない

君と出会った春も 抱き合った夏も すれ違った秋も 別れた冬も

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