第35話 ジャックと豆の木

 肉屋の親方はニヤリと笑って、インコのジャックにこう言いました。

「いいかいジャック、これは珍しい魔法の豆だ。特別にその牝牛と取り換えてあげよう」

 ジャックは眼をぱちくりとさせました。

「美味しい?」

「え、いや、違う違う、これは不思議な魔法の豆なんだよ」

「美味しい?」

「そうじゃない、魔法なんだよ、魔法ってわからないかな、えーっと」

「美味しい?」

「……味は普通の豆です」

「いらない」

 ジャックは牝牛を連れて町へと向かいましたとさ。

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