第23話 北風と太陽

 北風はびゅうびゅうと冷たい風を吹き付けます。旅のインコは服を飛ばされないように身を低くして歩きました。

「あっはっは、駄目だったようだね。では次は私の番だ」

 太陽はそう言うと、空で明るく輝きました。気温は上がり、ぽかぽかと急に春がやってきたかのようです。でもインコは暑いのは平気なので、服は脱ぎませんでした。

「……引き分けだね」

「……そうだね」

 北風と太陽は微妙な顔で旅のインコを見送りましたとさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る