第18話 舌切り雀

「つづらをお渡し!大きいつづらだよ!」

 お婆さんは奪い取るかの様な勢いで大きなつづらを受け取ると、礼も言わず背を向けて駆けだしました。

「それは途中で開けては……」

 スズメたちの忠告も耳に入りません。

 しばらく走った竹藪の中、お婆さんはつづらの中身が気になって仕方ありません。どんな宝物が入っているのだろう、そう考えるともう我慢が出来なくなりました。お婆さんがつづらを置き、静かに蓋を開けると。

 中には大きなインコが一羽、お婆さんをじっと見つめていました。そして。

「鼻噛んだろか!」

 インコの叫びにお婆さんは悲鳴を上げて逃げてしまいましたとさ。

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