第31話 留年大学生の戦略・その1

留年大学生の就職活動の戦略。

まず考えたのは、いつまでに就職活動を終わらせたいか...だった。

就職活動を際限なく続けても結果が出なければ意味はないし、期限を切らないとやる気も出ないんじゃないか...と考えたことによる。


ストレートの大学生は、当時は12月スタートののち、早ければゴールデンウィーク前後には内定がもらえる...つまり、6ヶ月就職活動をやれば内定がもらえる、という見込みだった。

当然、わたしはそんなに早く内定がもらえるなどという楽観的な予測は立てなかった。

では、どれくらいが期限として適当だろうか...。


結論から述べれば、10月末に期限を決めた。

理由はこうだ。

12月の1ヶ月は解禁される月だから、まぁ助走期間みたいなものだろう。

年明けから5ヶ月が本気で取り組む期間だとすると、その倍の期間も活動すれば、十分じゃないだろうか。

それだけ頑張っても結果が出ないのであれば、それ以上続けても結果は変わらないような気がする。

だから、10月末までで内定がもらえなければ、別の方法を考えよう。

そんな漠然としたイメージと、感覚的な判断基準で期限を決めた。


だが、そんな風に決めた期限であっても。それは自分にとってとてもプラスに働いていたように感じている。

ひとつは、期限があったからこそ、とりあえずそこまでは頑張ろうと思えたことだ。

いわゆる、マラソンにおける「あの電柱までは頑張ろう」という考え方だ。

長い期間、趣味でも仕事でも何かに取り組む上で、とりあえずでも期限を決めることの重要性をこの就職活動で改めて感じた。

そうしなきゃ、やる気は保てないと思う。


ふたつめとして、期限が決まってることで自分を追い込めたことだ。

人間、どんな時に一番頑張れるかといえば...切羽詰まっている時なのである。

時間、お金、誰かに怒られる、恥ずかしい目に合う...とにかく、そういうことがないと全力はなかなか出せない。

自分ルールなんてのも有効かもしれない。

意識して自分を追い込むのが重要なのだ。

だから期限を切っておけば、そこまでに何らか成果を出さないといけないと思える。

自分の場合、11ヶ月という期間で成果を出すことに全力だった...と当時は思う。

だからって焦ってはいけないのだが...それはまた別の話だ。


どちらも当たり前で基礎的なことではあるが...だからこそ重要なことだと思う。

もし、あなたが就職活動に取り組もうとしているのであれば、目標として内定が取れるまでがんばる、なんてのはわたしはオススメしない。

自分がやりたいことでもなければ、そんな考えではやる気は保てない。

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