第14話 バイトの掛け持ち

堕落した大学生活の日々だったが...わたしも、ただ遊んで過ごしてたわけじゃなかった。

なんとかまっとうな大学生活を過ごそうとする努力と、自分に自信を付けようとする努力は続けていた。


ひとつは、バイトかな。

大学1~2年目は地元のドラッグストア、3年目は地元の大型電器店のAVソフトコーナーで働いていた。

確か、ドラッグストアでのアルバイトと、大型電器店でのアルバイトは4~5ヶ月ぐらい期間がかぶっていて、その間は掛け持ちの状態だった。

その掛け持ちは、それはそれでキツい日々だったが...それは別の話。

念のため書いておくが、AVソフトコーナーと言ってもアダルトなアレではなく、普通のCDやDVD、ゲーム、おもちゃのコーナーをまとめて、AVソフトコーナーと呼んでいたのだ。


ドラッグストアでのアルバイトは、基本的に品出しとレジ打ちの日々だった。

初めてのアルバイトだったので、苦労したっけな。

コミュ症だったので、そもそも接客業というのがハードルが高かった。

それに、わたしの地元はなかなか客質が悪いことで有名な場所なのである。

ときどき、酷い客に接したこともあった。

だが、そのお店自体はそこまで厳しくなかったのが、救いだったかな。

基本的な社会勉強は、ここでした。


だが...2つのバイトの掛け持ちを始めた大学3年目の春、ただでさえ学業がうまくいっていなかったのに、よりひどい状態になってしまったのだ。

まったく大学に行かなかった...というレベルだった気がする。

そもそも、バイトの掛け持ちをするようになったのは、父親の指示だった。

アイディアではなく、指示というのがポイントだ。

考えてみれば、学業が酷い状況でバイトの掛け持ちなんて話しにならない。

だが...ハッキリと自分の成績の状況を言えず、逆らうだけの反論を持ち合わせていなかったのだ...。

ともあれ、結果的には成績はひどい状態になった。

さらに、自分の時間がなくなり、ストレスは溜まる一方となってしまった。

そこで、どちらかのバイトを辞めることにした。

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