「面接」
「36番の方どうぞ♪」
ガラガラガラ
「つ、土田ねんどです。よ、よろしくお願いします。」
「えっと、土田くんは…山口県代表の子だよね?」
「あ、はい。」
「そこ座って♪」
「し、失礼します。」
笑顔のえる先生とは対照的に7人の学生と思しき年上男子がギラついた目つきでこちらを睨んでいる。
「それじゃあ目の前にある小物で一発ギャグやってみて♪」
「え?」
目の前のテーブルには爪切り、歯ブラシ、ゴルフボール、分度器などの小物が無造作に並んでいる。
「え?一発ギャグ?え?」
「なんでもいいからやってみて♪」
「え?いや、なんでもって言われても…い、一発ギャグとか、やったことないですし、えぇ、いやぁ、僕は、ちょっと…」
「落ち着いて。時間はたっぷりあるから。」
「えぇ?いや、あの、え〜、いや、ここここ、ここに、ゴルゴル、ゴルゴル、ゴルフボールが…ありあり、ありますます…」
「うんうん。あるよ。頑張れ頑張れ♪」
「ごっ、ゴルゴル…ゴルゴルゴルゴル、ゴルフが、ボルボルっ…ゴルフがボルボル、ボルフがゴルゴル…ごふっ!」
バタン!
全身から汗を噴き出し目の前が真っ白になったことは覚えている。僕たち介護者見習いは一発ギャグで審査され、僕は47人(現在は46人)の中で最下位の19点を叩き出した。
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