第2話

それから毎日遅くまでバスケして、学校でも常に部活の仲間といて……


毎日くだらないことで笑って生きてた。


毎日が本当にたのしかった。

スランプに落ちて自信がなくなった時もある。

ありきたりだが、自分のチームでの存在価値が本当にチームを背負って試合に出れるものなのかと毎日1人泣いた時もある。


それでも仲間がいて周りに支えられて、幸せだった。

最高だった。


恋愛は…中学から高校2年まで付き合ってた人もいた。

でもそれは付き合ってるとは言えるものではなく、毎日部活がある為2年半程付き合っていたが会う回数は両手で数えても余裕で数えきれる回数だった。


別れを切り出したのは私でお互い友達に戻ろうと言って別れた。


そのあとは本当に普通の友達に戻った。


そしてまたバスケばっかりしてる生活をして、勉強もそこそこ中の中くらいをキープして………


本当にどこにでもいそうな平凡な人間だった。


でも、自分が2年になって新人戦で私は普通に描いていた夢を諦める。


試合中、膝の骨を折った。

相手の脚に引っかかって膝が逆に折れた。

人生で味わったことのない痛み。


その時病院で折れてると言われた時は、時間が経てば完璧に治ると思ってた。


全治3ヶ月。


3ヶ月も休んでる暇なんてない。


私は1ヶ月ひたすら怪我をしている脚意外を鍛えた。

体力が落ちないように、すぐまたコートに戻れるように、、、


1ヶ月経って、完治ではないが走れるようにはなった。

でも、膝は45°くらいしか曲がらない。

それでも痛みがないから練習をした。


試合にも出た。

膝を深く曲げなければなにも問題ない。

毎週、痛み止めの薬を膝に注射してごまかしてやってた。


そのうちに膝も治って、正座以外は大丈夫なまでに回復した。


でも、練習をすればするほど試合をすればするほど以前のようにプレーできないと感じた。


前みたいに踏ん張れない。

急に膝に力が入らなくて転んでしまう。


チームには何もないと、大丈夫と言い続けて。


その時、私は高校が最後のバスケになると痛感した。

それでもバスケが楽しくて、ずっとしていたくて。。。



そんな叶うはずもないことを思いながら高校の部活を引退した。



それから部活を引退してすぐ、監督から東京の大学でバスケをしないかと言われた。

そんなに強いチームではないが、大学から声がかかった。

嬉しかった。すごく。


バスケがしたい。その言葉を飲み込んだ。


普通に生きてても急に耐えられない痛みが走ったり、階段で急に膝に力が入らなくて転げ落ちたり……

私生活にも影響が出てたから。






監督に、私は東京で美容師になると伝えた。


親にも最初はバスケを続ければと言われたが、押し切った。




美容師になると。




こっからが私が今こうなったスタート。


これからが私が泥沼から抜け出せなくなる人生のスタート。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る