「幻影-まぼろし-のルミナス」アニメ化企画書Ⅱ登場人物紹介②

〈UNREAL story〉

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金城瑠美那(17歳♀)


 沖縄本島で暮らし隣接されたニライカナイ・ドームの学校に通う17歳の快活な女子高生。イザナギの首都アマテラスで生まれるも、かつての大災厄で日本列島が海に沈んだ際、父・金城隆志を亡くし母の故郷である沖縄で育つ。スポーツ万能の健康優良少女で「なんとかなるなる!」が口癖の天真爛漫で明るく前向きな性格。が、ルミナスと出逢ってから自分自身の根底がゆらぐような様々な葛藤や悩みに晒される。瑠美那にとってルミナスはかつての最愛の存在で、そのどこか前世めいた記憶にときめきと憂いを感じるように。が、同時に自身を常に縛る宿業の敵でもあり、オノゴロ島での“誓約”により、その不可思議な存在に身も心も全てを捧げてしまったため、その葛藤と懊悩は海底うなぞこの深淵のように深まる。時折生体としてのクンダリー二、エネルギアの交感と称してアストラル体である彼と交わりその度に心身ともにルミナスと離れられない運命を実感する。ルミナスとの誓約により「龍蛇の巫女」となり放心した自分を最初に保護してくれた睦月真吾と心を通わせ、彼に淡い恋心を抱くように。のちに登場の少年デュナン・リトラスは瑠美那とルミナスが融合して変身した姿。名前の由来は沖縄工芸品の硝子の切子細工とちゅら海の美しい瑠璃色から。


ルミナス(=クマヌクスヒノミコト♂)


 沖縄本島に住む17歳の女子高生・金城瑠美那の元に突如として現れた「幻のまほろば」アマテラスより来たりし“太陽神ひのかみ”。神人とされる、その真の正体は謎に包まれている。瑠美那と出会った当初は自身の記憶を失っており自分の名前さえも思い出せずにいたが、後に瑠美那に「ルミナス(=光り輝くもの)」と名付けられる。金色の後光に映える、ぬばたまの長い黒髪に蛇を象った黄金の王冠ティアラを纏い、長身のには銀の草帷子くさかたびらを身に付けている。沖縄に現れた当初は単なるアストラル(霊)体で月光のように弱々しく、月に一度の満月の夜しか瑠美那の前に姿を現せなかったが、瑠美那の生体エネルギーに接する内に本来の生命力を取り戻す。敵が現れた際には文字通り太陽の如く灼熱の高エネルギーを発し、怒りに我を忘れると周囲の物は皆、容赦なく薙ぎ払う。自身の飼うともがらであるオノゴロ島に眠る火龍カグツチをガイアの手のものに殺傷された際も、そうした激しさで全てを焼き払った。見た目の荘厳な美麗うつくしさに似合わず?尊大で傲慢な性格。瑠美那に対しても常に強引な態度を取るが、不意に見せる優しさに、かつて愛した存在の生まれ変わりである彼女を心から大切に想っていることが伺える。が、業を宿したその内実は瑠美那でさえも自身の思うがままに支配しようとする文字通りの宿悪。真の名はクマヌクスヒ(ノミコト)で、龍蛇の化身でもある。アマテラスを母、スサノオを父に持つも、その生まれの闇の運命さだめがため、幼い頃より幽閉されてしまう隠されし皇子みこ。アマテラスの弟であり、かつての恋人でもあったツクヨミの言葉に騙され、国を治める女帝であり最愛の母アマテラスをその手にかける。イザナギの首都アマテラス・ドームの天照てんしょう大学附属のアマテラス・ハイスクールに転入してきたデュナン・リトラスは瑠美那の魂を取り込み生体融合したルミナスの仮の姿。


デュナン・リトラス(17歳♂)


 イザナギの首都アマテラスに学び舎を構える、天照てんしょう大学附属アマテラス・ハイスクールに転入してきた謎に包まれた男子高生。が、その実体は瑠美那とルミナスが文字通り生体融合した姿。冷静沈着で頭脳明晰の物静かな優等生。比較的自由な校風のハイスクール内においても喪服と称して常に黒い詰襟の制服を身に付けている。切れ長の眼光は鋭くも、短く切り揃えた黒髪、すっと鼻筋の通った気品のある顔立ちで、寄宿舎で同室の睦月諒牙から皇室の生まれではないかと勘ぐられる。実際、イザナギ(日本人)とガイアのハーフで、17年前の地球規模の大災厄により日本列島が沈没してからガイア人の叔父(故人)に引き取られた旨を学校提出のプロフに掲載するが無論それは偽りの経歴。同じクラスの委員長リリアン・パスティムに密かに淡い想いを寄せられる。ルミナス自身の探すオーパーツにまつわる情報を校内で探索するため、単に彼女を利用しようとしていたが、後にそのリリアンが謎の白い翼を持つ光り輝く天使に奪われた瞬間、彼自身も彼女をほのかに想っていた真実を自ら知る。イザナギに来訪する白のメシアの自身への“宣戦布告”に対し、密かに御統みすまる首相に通じ、自身が「太陽の皇子みこ」であることを全世界に公表する。


石室聡介(17歳♂)


 沖縄本島のニライカナイ・ドームに暮らす瑠美那の同級生。天体観測が趣味で毎晩家で天体望遠鏡を覗いており、学校でも天文部に所属している。クラスでは地味だが屈託のない性格の眼鏡っ子。瑠美那にほのかな想いを寄せており、その想いを告げようと、満月の晩、天体観測会の名目で瑠美那を自室に招待するも、その夜、彼女を得体の知れぬ太陽神ひのかみに奪われてしまう。その衝撃と落胆のまま月の神ツクヨミにその身を我知らず委ねられてからはツクヨミと生体融合し、文字通り一心同体の身に。普段はデュナンのクラスメイトの一人である少女ヴェルトーチェカの中に身を潜めている。ツクヨミのルミナスへの不遇の想いを知り、似たような境遇である瑠美那に裏切られた自身の愛憎も相まって、その“太陽神”を殊更に激しく憎悪するように。


ツクヨミ(♂?)


 かつてのルミナスの恋人でもある月の神。女性と見紛うような流れる水の如し長い髪を持つ美しい月神だが、性格は冷酷無情。女帝アマテラスの弟で、かつて祖国アマテラスでは月読つくよみの宮廷お抱え占術師うらないしでもあった。離宮に幽閉されていた若き日のルミナス=クスヒと出逢い、各々の生い立ちの共振も手伝い愛し合うようになるが、月読み師としての地位を低く置き自身を幽閉した暴君スサノオへの反発やルミナスへの憐憫や恋心などからルミナスを母殺しの計略に嵌めてしまう。その後ルミナスと共にアマテラスを脱出するも、結果別れ別れになり永き時が流れる。美しい外見とは異なり、氷のような冷たさを心の裡に持つ。自分を慕ってくれる聡介ですら本心では、ただ利用できる駒としか思っていない節もあるが、自分と同じ境遇にある聡介に憐憫の気持ちも半ば抱いているよう。


睦月真吾(18歳♂)


 神聖ガイア皇国お抱えの精鋭特務部隊イオリゲルに所属するイザナギ生まれの18歳。誠実で穏やかな性格だが、かつての大災厄により日本列島が沈没してから、自分と双子の弟の諒牙二人で生き残っていくためイオリゲルに入隊する。弟の諒牙ともに精神感応力などの心を読む特殊能力が使える。イオリゲルに入るためには、その能力デュナミスに特化していなければならず、その利便性の恩恵にも関わらず時にその能力が暴走することなどから、イオリゲルはガイア本国上層部から煙たがられてもいる少年少女の寄せ集め部隊。表向きガイアには忠誠を誓っているも、オノゴロ島で保護した瑠美那のこともあって本心では、他を圧し、自らを生かすためだけに行動するガイアの本質であり弱肉強食の掟である、その国是を疑問に思っている。瑠美那に想いを寄せており、龍蛇の巫女として厳重な監視状態に置かれている彼女を開放してやりたいと思っているが、瑠美那同様にガイアにとって重要検体である、彼が願う龍蛇サーペントと化した元海賊アグニ・ヴァシュラートの開放ともども、それは重大な国家反逆罪となりえる。文字通り、その自分自身の命を削る行為に自身の正義と若き青春を捧げてしまう悲劇の青年。イオリゲルでは「白銀の翼」の異名を取る自機D-2エンリルを操る。


睦月諒牙(18歳♂)

 

 睦月真吾の双子の弟。アマテラス・ハイスクールのエリートアカデミー科一年生。兄同様、精神感応力であるデュナミスが使えるイオリゲル次期候補生。兄同様に穏やかで利発な性格だが、常に真剣で生真面目な性格ゆえ時折深刻になりすぎる兄とは異なり、どこか飄々とした明るい天然ボケの気質が幸いして、兄真吾のメンタルを常に助けてもいる。お互い特殊能力のデュナミスが使えることから、日頃の連絡などもそのテレパスで行っている。が、これはイオリゲル隊員一人一人そのものにも言える鉄則でもあるが、通常許される範囲外(学校試験や個人情報など)でのデュナミスには自らフィルタリングをかけ、普段からそれ以上使えないようにしており、諒牙自身も当然、越権行為である個人情報以上の「人の心を深く読む」などの行為は時に自らに強く禁じている。が、その実、兄真吾とともに諒牙自身もデュナミスを使えることに関する悩みは深く、自分たちは普通の人生は送れないとの実感を常に持っている。後にアマテラス・ハイスクールのエリートアカデミー科に転校して来ることになる瑠美那に兄同様に想いを寄せ、兄の国家反逆罪のおそれについても認知していることから、最愛の肉親である真吾を諒牙は……。


リリアン・パスティム(18歳♀)


 アマテラス・ハイスクールのエリートアカデミー科に通う、ガイア人の女子高生で二年生

。クラスでは委員長を務める真面目な性格の優等生で「学園の真珠マドンナ」と謳われる美少女。が、どことなく天然で抜けており憎めない所がある。同じクラスに転入してきたデュナンのことを常に気にかけ、どこか取っ付きにくく孤立している彼をクラスに馴染ませようと奮闘するも、いつも空回りしている。いつしかそのデュナンに仄かな想いを寄せるようになるが、様々に噂されても初めのうちは意に介さないでいた彼に後に告白されることに。が、それすら何らかの目的のため利用されていることも知らず舞い上がるが、その実デュナンの策略さえ我知らず撥ね退ける芯の強さを彼に見せる。しかしデュナンのその告白もよそに、ツクヨミ・ドームにて行われた夏季合宿中、突然現れた謎の白い翼を持つ天使に拉致され、デュナン達の前から忽然と姿を消す。その後ガイア本国で記憶を失い白のメシアに囲われフェリシアと名乗るようになる。


島嶺黎司(43歳♂)


 瑠美那の母方の叔父。天照てんしょう大附属高校の一教師であり、沖縄天照大の助教授。普段から素足に草履を履いており、浅黒い顔に一つに束ねた長髪や無精ひげ、ギラギラした鋭い眼光など、どこか風雲児まがいの風貌をしている。飄々とした屈託のない気のおけない性格。ニライカナイ・ドーム内ではなく沖縄本島で二人きり暮らす瑠美那ら金城母子の生活を普段から気づかい、何かにつけ瑠美那たち親子の面倒を見ている。瑠美那の父・金城隆志とは昔からの知り合いで、沖縄は与那国島にて何らかの極秘研究に共に手を染めていた。自身がとある人物から受け継いだ島嶺の姓と瑠美那がかつて島嶺から耳にした謎のワードである「十種とぐさ神宝かむだから」が、その研究と関係しているようだが詳細は不明。まるで太陽のように朗らかで明るい瑠美那の父を当時から煙たく思っていたが、内心ではそれほど悪く感じてもいなかった様子。アマテラス・ドームの本庁に付随するアマテラス天照大に転任となってから、文字通り「龍蛇の巫女」となった瑠美那やエリートアカデミー科の周辺の現象をその監視対象に置く。これも詳細は不明だが、何らかの目的を持ってガイアに抵抗する組織に属している模様。


藤宮五月とうぐういつき(17歳♀)


 沖縄本島にある実家は神社。古くから沖縄にある琉球八社の内でも沖宮、天久宮など伝統的な琉球神道の流れを汲む、その藤宮とうぐう神社の巫女をしている。学校では、ここの所ぼーっとしてばかりいる瑠美那をいつも心配していた。瑠美那が突然失踪してしまってからもやしろにお祈りするなど、その消息を常に気づかっている。明るく優しい性格で学校では剣道部に所属している。


ヴェルトーチェカ・アルマ(14歳♀)


 アマテラス・ハイスクールのエリートアカデミー科に通う物静かな少女。リリアンや睦月諒牙のクラスメイトで寄宿舎のルームメイト。愛称はヴェル。年齢は彼らよりずっと下だが、そのIQの高さゆえ飛び級して同じクラスに属している。たっぷりした銀髪ツインテールの神秘的な風貌をしており、普段から無口で無表情のため何を考えているか分からない所が。リリアンの天然ボケに鋭い一言で時折突っ込む。実はその内実に石室聡介を自らに取り込んだツクヨミが憑依している。彼女を通してエリートアカデミー科に属するルミナスと瑠美那が姿を変えたデュナンの動向は常にツクヨミらに知られており、ツクヨミ・ドームでの夏季合宿で皆が訪れた島嶺の研究所に設置された温泉にて、ついにツクヨミはその姿をデュナンである瑠美那とルミナスの前に現し、瑠美那とその日神に対し愛憎を燃やす聡介がそこにいることも瑠美那に知られることに。後のリリアン失踪後、ヴェルは学校から姿を消す。


ベアトリーチェ・アンカ(14歳♀)


 アマテラス・ドームに距離を置き隣接された軍事開発施設などが主のスサノオ・ドームにて主任研究員をしている、銀髪をポニーテールに束ねた少女。歳に似合わず毅然とした態度を取るデュナミスの使える14歳。愛称はベアト。イオリゲルの操るマシンD-2開発プロジェクトの主要メンバーで文字通りイオリゲル隊の御意見番。彼女らのチームが開発したD-2の真の性能を見事に引き出した彼らイオリゲルの才能を高く買っており、龍神の血潮を注がれた被検体アグニ・ヴァシュラートの身柄とその深紅のマシン・アスラを任されたイオリゲル第三小隊の睦月たちを監督するため彼らの母艦アステリウスを訪れる。実際に取る態度は冷たく厳しいが、睦月真吾に対して淡い仄かな想いを抱いており、彼が思慕する金城瑠美那に嫉妬し敵視する。死をして何かをなそうとする、何事にも真摯でナイーブな性質の真吾のことを本心では非常に気にかけている。実はヴェルトーチェカの双子の妹。


アグニ・ヴァシュラート(24歳♂)


 七つの海を股にかけ世界的に暗躍する海賊テロ組織パルジャミヤの首領。実はインディアナ共和国のかつての失われた王朝ヴァシュラートの生き残りの皇子おうじ。幻の希望の光である、伝説の龍神であるナーガラージャを探し求めている。世を忍ぶ名目で表向きはアグニ・ヴァシュリスクと名乗る。その昔の帆船の姿の最新鋭の装備を施した海賊船ディヤウス号で超大国ガイアの目をかいくぐり主に数々のガイア艦船を襲う。海上バイクに似た深紅の機体スーリヤ・アスラを操る。謎の女剣士クロエの導きにより神の孤島オノゴロ島で、ずっと探し求めていた光り輝く龍神ナーガラージャとあいまみえるも、ガイアの攻撃に晒され傷つき、その身を拉致されてしまう。さらに“適合者”であることを悟られ、龍蛇ひのかみともがらであるカグツチの血潮を試験投与され、文字通り肉体改造されてしまう。龍神サーペントそのものに心も姿形も変容してしまってからは、その身柄を愛機アスラと共に睦月らイオリゲル第三小隊に移管され、睦月真吾と心を通わすように。自身に巣食うカグツチの本能が己の真のあるじ(=ルミナス)の場所を探し当て、イオリゲルの母艦アステリウスをアスラともども脱出するも、龍蛇の巫女である金城瑠美那の哀しみに触れ失速し、海賊パルジャミヤの同胞たちの船ディヤウス号にその身を帰還させる。そこには共に同行していたクロエと“太陽の皇子みこ”デュナン・リトラスの姿があった。アグニを追う真吾の機体エンリルもまた不具合を起こしディヤウス号に曳航される。アグニ、クロエ、瑠美那、真吾、そしてルミナス――。様々な思いが交差する中、自身の主と邂逅し、文字通り火龍サーペントであるカグツチ、龍神ナーガラージャとして生まれ変わったアグニは、白のメシアの来訪するかつての日本・イザナギにて人型形態となったアスラ・イグニスの咆哮を聴く。


ヴァルナ・ラウ・イスラフェル(25歳♂)


 海賊パルジャミヤの船ディヤウス号の航海士。アグニが最も信頼する、彼の友であり従者であり師。元大臣の息子で失われし王朝ヴァシュラートのもう一人の生き残り。超大国ガイアに反旗を翻し、パルジャミヤ首領であるアグニの探し求める理想そのものであるナーガラージャの真実を共に模索する。元はヴァシュラートの皇子だが海賊組織のおさとなってから、どこか向こう見ずな気質のアグニの行動を常に気にかけ、いつ何時もその存在を心から愛しすべてを委ね補佐する腹心の友。オノゴロ島でアグニが拉致され行方不明となってからも常に彼を信じ、時期そのときが来るまで、ずっとパルジャミヤの要であるディヤウス号を島影に隠し装備等を密かに温存させておいた。イオリゲルである睦月真吾の精神感応力によりアグニと間接的に言葉を交わす。変わり果てた姿のアグニと再会しても動揺せず、彼が龍王ナーガラージャと信ずる太陽の皇子みこに忠誠を誓う。


クロエ(?歳♀)


 ルミナスのいた「幻のまほろば」アマテラスの元住人。ルミナスをツクヨミとともに「クスヒ(様)」と真の名で呼ぶ、ただ一人の存在で、かつての彼の従者しもべ。見た目は14歳ほどの少女だが、数々の修羅場をくぐり抜けてきた眼光の鋭さとルミナスより託された重々しい太陽ひかりの神剣を扱うだけの確かな身のこなしを持つ。ルミナスともども元はアストラル(霊)体の身であったが、瑠美那の父・金城隆志の力によって人の姿をまとい、ルミナスを追ってその姿を現世に蘇らせる。クロエという記号としての名も金城父によって授けられたが、そのことは瑠美那には伏せたままに。ルミナスと一体となる前の瑠美那とは、ある無人島で初めて邂逅であい、クロエはその瞬間から彼女が龍蛇の巫女であることを悟る。ルミナスを探すため海賊パルジャミヤの船ディヤウス号に忍び込み、そこで主以外に心と想いを寄せることになるアグニと出会う。闇の本性さがを持つルミナスの深淵の力を畏怖してもおり、その変わらぬ固い忠誠心とともにデュナンと行動を共にするようになってからは、龍蛇の巫女と融合し、人の姿をまとったあるじが暴走せぬよう、彼を常に厳しく監督する。冷静沈着で常に先を読んで行動するも、クスヒ=ルミナスやアグニのこととなると我を忘れてしまう年相応の反応も。瑠美那に対しても、いつ出会っても常に冷静で龍蛇の巫女である真実に重きを置いているが、本心では時折、対抗心的なものが垣間見える瞬間も。カグツチを宿し龍神となったアグニと再会してからは、彼と心を通わせ、大切に扱う睦月真吾に感謝の気持ちを持つもヴァルナの手前、口には出さずに。今ではその記憶は定かではないが彼女の真の名はルミナスだけが知っている。


セルゲイ・キリアン(35歳♂)


 イオリゲル第三小隊、隊長。冷静沈着だが明るさも備えた茶目っ気のある気さくな性格も時に垣間見せ、常に緊張を強いられる隊の作戦においても隊員たちの士気が失速せぬよう尻を叩き、柔軟な対応と彼らしい励ましの言葉などで、不安定になりやすい彼らのメンタル面を維持してもいる。自身もデュナミスを扱えるが、真に必要な場合にだけ使えるよう、その力を普段は温存している。主に年若い少年少女である隊員たちを常に気づかい、まとめる兄貴分的な存在。中でも誠実すぎるほどに繊細でナイーブな性格の睦月真吾のことを常に気にかけている。イオリゲルの持つ資質と共にその宿命ゆえ、時に激しい葛藤や諍いも起きることのある隊の中で、生真面目すぎるほどの真摯さを備えた睦月を信頼し、独自の正義感をも心に持つ彼を曹長に任命するよう自ら上層部に掛け合う。睦月同様、大国ガイアの起源にもつながるデュナミスの力や、それと対応するイオリゲルのマシンD-2の機構に対して大きな疑問を持っているが、その根本の議論は隊の中では自ずと封印している。


白のメシア(=リュシフェラス・デュナム ?歳)


 超大国、神聖ガイア皇国を統べる、文字通り神聖なる存在。歳を取らない生き神であるとも云われる門外不出の存在で、通常はその姿を人々の目の届かぬガイア中心部にそびえるクリスタル・パレスに隠している。最初に「光あれ」と彼が発した言葉によって、かつて混乱の坩堝と化した、大災厄である大地殻変動によって生まれた超大陸を一つの大国に治めることができたのも、この世のものとは思えぬ彼の神の如し力ゆえ。そのため生まれた「白のメシア」の称号であるが、半ば戯れに自身の仮の名をリュシフェラス・デュナムと名乗るも、その名を知っているのは宰相のリヒテルなどパレス内の僅かな側近たちのみ。この世に顕現したルミナスの存在をいち早く察知しており、イザナギの監視体制を早期から強化させる。ルミナスのことを自身と対となる存在である闇の皇子ベリアルと呼ぶ。光の翼を持った天使の姿で彼の目前に現れ、ルミナスの探していたギルガメシュ財団から託されたオーパーツの勾玉と共に人として彼が愛する少女リリアン・パスティムを奪取する。ガイア本国にてクリスタル・パレス内に囲われることとなった記憶喪失のリリアンに新たにフェリシア(=幸福の意)の名を授け寵愛し、自身をリュシーの愛称で呼ぶよう彼女に勧める。後に“太陽の皇子みこ”としてその存在を世に知らしめることとなるルミナスに対抗するようにイザナギ来訪を決め、その際、愛姫フェリシアとなったリリアンをも密着して同行させ、さらなるデュナン=ルミナスの怒りに火をつける。まるで猫のような銀灰色のひとみに人ならざるもののようなベリーショート銀髪や陶器の如く白い肌など、文字通り天使と見紛うほど無垢な少年のままの美しい外見的特徴を持つ。

 


リヒテル・ド・ダヤヌ(37歳♂)


 ガイア本国のクリスタル・パレスにて白のメシアに仕える側近中の側近で宰相を務める。神聖なる存在であるメシアと直接言葉を交わすことのできる唯一の人物で、かの人から伝えられた命を皆に下すメッセンジャー的な存在の聡明な壮年。かつてギルガメシュ財団に従事していた父の「人は鳥籠のごとし檻の中に飼われていた方が幸福しあわせなのだ」との言葉を受け、理想郷である大国ガイアの白のメシアの寸分違わぬ完璧な統治も快く受け入れるが、囚われの身となっても激しく抵抗する海賊パルジャミヤの首領の姿に深い疑問を呈するとともに、どこか自身の中で物言わぬ葛藤があることも人知れず感じてもいる。白のメシアであるリュシフェラスをデュナム様と呼び、畏れ多くも、時折発揮されるその気まぐれに激しく振り回されてもいるが、当然のごとく心から彼に忠誠を誓っている。


ロベルト・ワイズ(34歳♂)


 かつて神聖ガイア皇国の科学技術開発班である極秘組織リベルテに所属していた青年博士。かつての世界の災厄に際し、すべての人間の記憶を操作したというガイアの科学力の詳細について、そして神界に棲むレムリアン=神人について海堂教授とともに真実を知るただ一人の人物。科学技術庁、ガイア特務機関の最高技官。瑠美那の父・金城隆志博士についての何らかの真実も知っている模様。臨時に監査の名目で時折スサノオ・ドームのベアトリーチェの研究ラボを訪れる。自身もベアト同様デュナミスを使えるようだが普段は封印している。龍神となるアグニの被検体としての素質を見抜き、全てを指示したのもワイズ博士の采配。プラチナフレームの眼鏡の奥の冷酷非情なアイスブルーのひとみに全てを映し世界を見定めている。



海堂道彦(57歳♂)


 アマテラス・ドームの天照大教授。ハイスクールのエリートアカデミー科の授業も務める小太りの初老の男。幻のまほろばの国アマテラスについて何らかの真実や秘密を知っているようだが詳細は不明。転入生デュナンに忍び込まれた執務室で“オーパーツ”の所在について激しく問い迫られ、その結果、病院送りに。


金城隆志(44歳♂)


 かつてイザナギの三大ドームである、アマテラス・スサノオ・ツクヨミドームの建設に携わった人物で瑠美那の父。17年前の大地殻変動で日本列島が海底に沈んだ際、幼い瑠美那を母・景織子きょうこの手に託し命を落とした。が、死んだはずの彼の魂はクロエから瑠美那に託された翡翠の勾玉に封印されている。無論、瑠美那自身も、そしてクロエもその真実を知らない。瑠美那の叔父である島嶺黎司とは旧くからの顔馴染みで共に与那国島の海底遺跡にまつわる、ある極秘研究に携わっていた。太陽のように明るく屈託のない性格で、その資質は瑠美那の天性の天真爛漫さにも受け継がれている。かつて仕事で訪れた沖縄で琉球工芸品の硝子細工作りに携わっていた瑠美那の母と知り合い、沖縄に定住するようになった。瑠美那の名の由来も、そこから。死後、霊体となりルミナスを追ってアマテラスから下り来たクロエに現世で生きられるだけの能力ちからや知識をレクチュアし授けた。父の顔を一切覚えていないはずの瑠美那だったが、出逢った当初ルミナスに父の面影を見て動揺する。物語後半の後に、神人の血を引く人物であることが判明。


草薙瑞穂(32歳♀)


 沖縄の島嶺の後任の高校教師で彼の後輩。伊達眼鏡の似合う髪の長い深窓の美女。だがその正体は島嶺とともに暗躍し、ガイア本国とイザナギとを行き来しつつ極秘諜報活動を自在に行う女スパイ。世界の真実について詳細を知りたいとの思いを強く抱く冷静で聡明な女性。自身が故意にガイアに泳がされているとの実感もありながら、島嶺とは密に連絡を取り合い、常に彼に情報のすべてを流している。アマテラス・ハイスクールのエリートアカデミー科に勤務する草薙瑞悸は実の妹。


草薙瑞悸みずき(29歳♀)


 アマテラス・ハイスクールのエリートアカデミー科に勤め、主に転入生のサポートをする女性で、草薙瑞穂の妹。化粧っ気のない姉と異なり、ふんわりとしたエレガンスな髪型に嫌味のない化粧がバランスよくかけている品のよい眼鏡と似合っている。姉同様ガイア直属の秘密構成員でもあるが、その情報の横流しを常時、島嶺に対して行っている二重スパイ。が、ガイアの国是でもある、その冷酷非情さを身をもって知っており、そのくびきからいずれにせよ自分たちは逃れられないのだという真実を胸に抱いていて、禁忌を冒しかねない睦月兄弟の行動を危惧しており、特に身近にいる弟の諒牙をそれとなく諭す。


御統要一(55歳♂)


 イザナギの初代首相。かつての日本を大地殻変動の混乱のさなか救ける名目で、国のすべてを大国ガイアに売り渡した男。その売国奴としての汚名と葛藤を忘れるためか、かつての古来の神国としての信仰を再び国内に興そうとする。そのための文字通りの象徴となる、太陽の皇子みこであるデュナン・リトラス=日の神ルミナスの誘いのすべてを受け入れる。毎月の新月の夜、神威を借る偽りの祭壇である、上辺では首相官邸の体裁を取った社にて見えざる神に祈りを捧げる。


アマテラス


 ルミナス(=クマヌクスヒノミコト)の最愛の母。神人の国、「幻のまほろば」アマテラスの女帝であったが、実の子であるクスヒの手にかけられ身罷みまかった。それに伴い祖国アマテラスは崩壊し、半ば記憶を失ったルミナスの中にその思念が残されているのみ。アマテラスの弟であったスサノオの消息も定かではない。瑠美那がその生まれ変わりであるかどうかの詳細もルミナスの記憶に遠く閉ざされ封印されたまま。


スサノオ


 女帝アマテラスの弟。その姿かたちは人のものではなく、ミノタウロスの如し牛頭ごず神で北極星の象意の化身。暴君そのものの横暴な性格で月読み師であった実の弟ツクヨミを不遇の地位に置く。聡明なツクヨミに働きかけ、国力を増大させる名目で姉アマテラスと交わり一人の神子を生むも、その存在が己自身をも脅かす闇の資質をまとっていると知り、実子であるそのクスヒを離宮にて幽閉する(物語後半、文字通り巨大化し、ラスボスとしてルミナスらの前に登場する?)。

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