226~230
226話
(お題:『ポケットには飴玉 』)
#twnovel
俺のポケットには、いつも飴玉が入っている。だが、俺自身は甘党でもなんでも無い。むしろ甘いモノは苦手だ。では、なぜかというと。「うぇーん。もうこの髪色やだー!」「ホノカ…またからかわれたのか。気にするなっていつも言っているだろう。ほら、飴やるから泣き止めって」
227話
(お題:『風読み』)
#twnovel
蜂飼いが花を追って住処を移すように、私たち風読みは鳥と共に風を追う。数年前に一族から独り立ちして以降、私は相棒の鷹と旅をしている。上空を旋回する鷹に、声をかける。「アロウ!風の具合はどう?」『もうすぐ来るぞ。カノン、聴き逃すなよ』アロウが答えた直後、風は来た。
228話
#twnovel
草原を風が駆け抜ける。私は、風の声を聴き逃さまいと目を閉じた。途端に聴覚が冴え渡る。微かな囀りのような音。風の精霊たちの、雨季を祝福する歌声だった。ざあぁ、と草が擦れ合い、たちまち風は止む。目を開けると、アロウが静かに降りてきた。グローブを着けた腕を差し出す。
229話
#twnovel
『どうだった、カノン』「雨季の祝歌だったよ。この近辺は例年通りの雨季が来るって。私、この事を村長さんに伝えてくる」風の精霊たちの声を聴き、風を読む。異常気象や天変地異の前触れをいち早く察し、人々に伝えるのが風読みの仕事。私、カノンは、その一族の端くれである。
230話
(お題:『それでこそお前』)
#twnovel
「さて、門番に追い返されたわけだが…。ホノカ、どうするつもりだ?」「そんなの、決まってるよ。門前払いされたんだから。裏口からコッソリ忍び込むよ」「それでこそお前だ」
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