第8話 きゅふふ。情けないお兄様です事


その回廊は一際堅牢に作られていた。セメントで塗り固めた外壁にタングステン合金を被せ、またセメントを塗る。それが三度繰り返されている。構造自体は単純だが、だからこそ唯一のコンセプトである堅固さは遺憾なく発揮された。


アシハラの出入り口であるその回廊には、外部環境との隔絶が要求された。


万が一にも崩壊すれば、内部の生態環境に深刻な影響を及ぼしかねない。そうした細心の注意を反映させた回廊は、強度の面から半円を描く。装飾の類は一切ない。愛嬌のない灰色の道がひたすらに続いていた。


幅十メートル、全長は百メートルを数える。

車両の往来が出来るよう中央には白線が引かれ、両脇には歩道が備えられている。外部環境から守るため、車道にはシャッターが、歩道には鉄扉が、それぞれ二十メートル間隔で設けられていた。


かつては隆盛し車両の往来も目立ったが、いまは閑散としている。基本的に、内外は隔絶されている。アシハラから出ようとする者も、入ろうとする者も皆無だからだ。特に後者に至っては、戦後この都市が機能している事さえ知らない者が多い。


だが、そこに二つの影が歩を進めていた。長大な一本道に、その小さな影は酷く目立つ。


一方は女だ。年の頃は二十代前半。目尻の下がった眼はどこかのんびりとした印象を放つ。背中まで伸ばした黒髪は、毛先が柔らかくカールしていた。すらりとした長身は魅力的だが、しかしながら、胸や尻の類はまるで少年の様であった。

フリルのあしらわれた白いブラウスに、デニムのロングスカートという出で立ち。日傘にコルクサンダル、麦わら帽子とくれば、武骨な回廊より高原が似合いそうな格好である。


そして見る者を魅了する緑眼は、魔族の証明である。


「ああ、ほんま、やかましいわあ。びーびーびーびー敵いまへん。やから抜き打ちはやめましょうて言いはったのに」


悠々とした歩行だが、回廊には緊急を告げる赤色灯の光とサイレンとに見舞われていた。その原因が自分達にある事を承知で尚、彼らに急ぐ様子はない。

女はうっとうしそうに日傘を振るが、当然音は遮断できなかった。


「そうは思いまへんか、ドラコベネの旦那?」

「我の名を無闇に省略した者は、一人を除いて全て同じ目に遭ってきた」

「へえ、どんな?」

「それがどうにも思い出せん。焼けた肉の匂いと味とで忘れてしまうのだ」

「……くわばらくわばら」


ずらりと牙の並ぶ口から放たれた言葉は、冗談なのか本気なのか――いずれにしろ女は龍族から半歩ほど距離を置いた。

赤褐色の鱗に覆われた蜥蜴の顔、頭頂に戴くは五本の角。見る者を威嚇するかのような鋭い眼差しは、彼が龍族である事を意味する。


しかしながら、その上背は二メートルに満たず、平均身長を大きく下回る。龍族は卓越した擬態能力を持っており、彼はいま、人族の生活圏に合わせて身長を調整しているのだ。小さくなった身体をローブで包んでいる点や険呑な顔つきからして、不本意である事が窺える。


「その一人言うのは、あての事とはちゃいますの?」

「馬鹿げた事を。それは我が王である。魔性の類が肩を並べる等と命知らずも甚だしい」

「はいはい、ドラコベネ・ゼゼブ・ベネ・レゼ。ほんに小説の文字数を稼ぐためにつけられたような名前やわ。けんど、えらい語呂は良いねんなあ」

「難解な言葉だな。口頭での意志疎通が出来ない相手とは最終的に牙と爪とで会話をする。龍族はいつもそうしてきた。いまのうちに改めておく事だ」

「いけずな事言わんといてくれはります? 京都弁。方言。聞いた事ありまへんか?」

「ないな。そもそも一月前まで、そのような話法ではなかっただろう」

「そそそ、それ言うたらあきまへんえ」


女が目を泳がせる様子を沈黙で受け流してから、ドラコベネは小さく息をついた。


「……キャラ作り、か」

「だからそういう事言わないでったら! 必死なんですよ!?」

「何がだ」

「よう聞きなはれ。いまはな、何と言っても個性。個性の時代どすえ。個性強い連中が跋扈するこの混沌とした世に、没個性は見放され忘れられていくんどす」

「庭園のスクルド老が言っていたか。娘が生徒会の連中と比べ影が薄いと」

「ふぐッ……か、関係あらしまへん」


二月前の技術提供会の際――嘆息混じりの母の何気ない一言が、脳裏に反芻する。

深く胸を抉ったが、しかし最近では努力の甲斐あってか、何も言われていない。目の合う回数も減った気がするが、まあ気のせいだろう。


「ま、まあドラコベネの旦那も、あんじょう気をつけなはれや?」

「挑発と受け取っていいのか?」

「短気は損気よ。こない場所じゃあ元の姿に戻った途端つっかえるやろ」


連れ添って歩いてはいるが、あまり気の置けない仲ではない。特にドラコベネは女の言葉に返答するばかりで、話題を持ちかけようとする事はなかった。


「身体は人やのに、何で頭は龍のままなん?」

「我々龍族の擬態は、脅威から逃れるための盾ではない。より最適な狩りを行うための矛だ。本来その必要もない下等種族に擬態する等、そもそもが業腹なのだ」

「ふぅん。けんど、そうせんと潜れんくらいにここが丈夫いう事どすなあ」


女は壁をこんこんと叩きながら、感心するように頷く。


「あての魔法でも、こればっかりは壊せへんしなあ」


それこそが、アシハラの自治権の地盤とも言えた。龍魔の攻撃にも耐えるドームの天板と回廊は、第五防衛都市アシハラを難攻不落の城塞たらしめている。


とはいえ、野放図にするにはこの都市は魅力的に過ぎた。ここには、自虐戦争以前の研究施設が数多く残存し、それを扱える技術者も揃っている。

龍族には圧倒的な武力があり魔族には魔法があるが、人族のような技術力はなかった。生活の上での利便性や生産性の向上に、人の技術力は欠かす事が出来ない。

そこで龍魔とアシハラとで妥協点が模索された。紆余曲折を経た合議により、アシハラは一定の自治権を得た。代わりとして龍魔は、技術と人材を得た。

そうして龍魔による搾取の構図が出来上がった。龍魔はアシハラの存続を許す代わりに、定期的にアシハラを訪れては、新技術と人材を奪い去っていく。

もちろんそれは、強固な城塞があってこその均衡ではある。


言葉を交わしながら、五枚目の鉄扉まで辿り着く。


外へ出ると、そこはアシハラの都市内部である。小奇麗に植樹や建造物の林立する、秩序だった空間がそこには広がっている。本来は商店の並ぶ通りなのだろう。生活品や飲食物のプリントされた看板が目立つ。

そして眼前、彼らを迎える人影が一つ。


「俺様が来たからには、テメエらの悪行もここまでだぜ」


横柄な態度を放つのは、長身の少年だった。三白眼に不敵な笑み、頭頂には見事な禿頭が陽光を反射する。アシハラ学園の制服に身を包むその姿を、女は知っていた。


「あんさん、確か生徒会んとこの――ハゲ継はん、やったっけ?」

「ちげーよ! ってかテメエ微妙に目合ってねえぞ頭ばっか見んな!」


ばれたか。


「いいか異族ども良ぉおく聞け。この俺こそアシハラ学園高等部三年、生徒会副会長。そしていまからテメエらをブッ飛ばす事になるヒーロー――友原巳継その人だ」




虹子となずなの先導で、桐吾は疾駆する。学園棟を背に、目指す先は都市南門だ。

歌誉は恐怖を訴えたため、ひとまずは置いてきていた。

現場では、既に龍魔との接敵が始まっていた。虹子となずなの手には携帯型デバイスが握られ、現場の様子を映し出している。中継役は田路彦との事だった。

横からデバイスを覗き込むと、たった一人で雄々しく対峙する禿頭の姿があった。

内心で感心と畏怖を抱く桐吾の横で、虹子は大げさに嘆いている。


「馬鹿に先越されたですようわああ!」

「ば、馬鹿?」


見たところ禿頭の男は精悍な顔つきで、馬鹿という単語は似つかわしくない。

疑問を発する桐吾に答えるなずなもまた、頭を抱えていた。


「私達の先輩で、名前は友原巳継。生徒会最年長にして名乗った通りの副会長。腕っぷしも強くてただの喧嘩なら私だって勝てない」

「凄いじゃないですか」

「んー……凄いんだけど、ねえ。致命的な欠陥が……」


『提供会は来月じゃねえか。事前連絡もなしに、何しに来やがった?』

『昨日、あんさんらのとこに龍が二体、紛れ込んできはったやろ? その子らを返してほしゅうて、てくてくここまで来たゆうわけ』

『ああ、そういや捕まえたな』


「うわああ何素直に認めてんですかあのハゲえええっ!」

「見ての通り、馬鹿なのよ……」

「成程……」


先行して到着した巳継の本来の役割は、出来るだけ多く時間を稼ぐ事である。その間に生徒会は現場に急行し、また、一般生徒達の出撃準備と陣形整備を行うのが定石だった。


『話が早うて助かるわあ』


「向こうの手助けしてどうすんですかああっ!」


『ほんなら、龍のお二人さんはどこにおりはるん?』

『あー、確か植物制御棟のあたりだったか』


「馬鹿ですか馬鹿ですね分かってましたよ馬鹿だって事くらいバーカバーカ」


『ほな、案内しておくれやす?』

『ふっ――だが断る、と言ったら?』


「おお巳継先輩ぐっじょぶ! その調子で時間稼ぎですよ!」


『断るなんて、いけずな事言うとらんと』

『そっちこそ舐めない方がいいぜ。なぜなら我が心臓に秘められし千年の封印は――既に解かれているのだから』


「あ、発症した」

「発症?」

「あの人、馬鹿な上に厨二病なのよ」

「はあ、病気……ですか」


病というが、特に彼の体調を案じているようには見えない。深刻な影響は出ない類の、軽い病気なのだろうか。


「でもこれで、相手の狙いがはっきりしたわね」

「ですね。会わせるわけにはいきませんけど、さーてどうしたもんですか……」

「魔女の言ってる二体って、昨日の?」

「です。色々吐かせるために、生け捕りにしてあるんですよ。いまも厳重警備して、これからの尋問計画を大人たちが練ってるとこです」

「そんなの、こうなった以上すぐに解放するべきじゃ……」

「でも奴らはアビス・タンクを見てるです」


毅然とした虹子の即答に、桐吾は言葉を失う。


「アビス・タンクはアシハラの最重要機密です。龍魔にもその存在を、今日まで何とか隠し続けてこれたんです。だから、こんなとこでバレるわけにはいかねーんですよ」

「虹子まで、戦うつもりでいるんだね……」

「当たり前じゃねーですか。会長なんです、私は」


自らに自覚を促すように、虹子は噛んで含めるように言った。

デバイスの向こうで、魔女が息をつく。


『あんま怒らせへん方がええて。あてはええけど、ドラコベネの旦那が黙っとらんえ?』

『拒みたければ拒め。それは貴様の数少ない自由の一つだ。だが覚えておけ。その自由を尊重する我の口もまた自由である事を』

『貴様にも一つ言っておく。どういう意味だか分かりづれえぞこの野郎、となあ!』

『殺すと、そういう事だ』


俄かに危機感が増す。デバイスの映像からは、巳継と重なって龍の全容は知れない。しかし、大気を蝕むように赤い蒸気が噴き出してくるのが視認出来た。

それは怒りの証左。手が付けられなくなる前に、到着しなければならない。


「なずなさん、あとどれくらいですかッ?」

「もう少しよ! ああもう余計な事ばっかりして巳継先輩!」


先頭を駆けるなずなが、その速度を上げる。桐吾と虹子もそれに倣う。

彼らの焦燥を歯牙にもかけず、巳継は龍魔に拳を掲げる。


『いいだろう、見せてやる。創世の歴史にすら刻まれなかった呪われし力、その名を――』

『巳継はん、ちょっとこっちに目線よろしおすか?』

『あ? 手短にしろよ?』


声を投げられるがままに、巳継は魔女と視線を交錯させた。


「ハゲ継先輩ー! ホントに馬鹿ですかーッ!」

「馬鹿を超える馬鹿って何て表現したらいいのかしらねー」

「ユニコーン・トナカイ、とか?」

「馬と鹿の上位互換って事? 上手い、というか桐吾君もそんな冗談言うのね?」


三人の冷ややかな視線が注がれるデバイスに、珍妙な光景が映し出される。

突然構えを解いた巳継が、だらしなく舌を出し、四つん這いになったのだ。そして元気いっぱいに、明後日の方角へ向けて駆けだした。まるで、犬のように。


『わんわんっ、きゃいんきゃいんっ!』


「……」


言葉が見つからずに黙る虹子。


「あの人、魔眼の事は……」

「知ってるわよ、当然……」


女性の魔族は、その瞳に魔力を宿す。その瞳と視線を合わせた男性は魔女の虜となり、操り人形と化す。その力を魔眼といい、全ての男性はその蠱惑を恐れてきた。

にもかかわらず、巳継はただ愚直に目を合わせ、ろくな抵抗も出来ないままに犬と成り果てた。魔眼の効果は三十分程度だが、彼が社会的地位を失うには十分な時間だろう。


『なぜ畜生にした。案内をさせれば良かっただろうに』

『ええやないどすか。あないな下品な男に案内してもらうんも興ざめやし――それに』


続く言葉を、桐吾はデバイス越しでなく、肉声で聞く事が出来た。


「それにちょうど、会長はんが到着しなはったし」


虹子となずながデバイスを収める。


もう中継する必要はない。眼前に、その脅威は在るのだから。

巳継の去った位置に立ち、虹子が一歩を前に出る。彼女は強健なる異族を前に震えていたが、それに勝るだけの克己心で口を開いた。


「ようこそ、ファアファルさん。それに、ドラコベネ・ゼゼブ・ベネ・レゼさん。抜き打ちの訪問とはいえ、こうなった以上は歓迎しますよ」

「ふぅん。やぁっと話の分かる人が来たはりましたなあ。なら、早速案内しておくれやす」

「案内をするのは構いません。でもその後、彼らをどうするんです?」

「ん? さて、それは旦那がどう考えるかやけど」


ファアファルが視線を転ずる先、ドラコベネは鼻を鳴らす。


「我は一つの疑問を抱いている。即ち、脆弱な人族等に捕えられてしまう輩が、果たして本当に我らが同胞なのだろうか、と」


臓腑に響くような低い声音は、もう一人の龍族のものだ。デバイス越しでは巳継に隠れていた影が、その全容を露わにしている。


「……え」


その龍を視界に収め、桐吾は絶句する。


ドラコベネ・ゼゼブ・ベネ・レゼ。


知っていた。桐吾は、彼の事を。それを認識した瞬間、堰を切ったように全身から汗が噴き出した。あらゆる汗腺が悲鳴と涙を垂れ流すように。

身体を襲う、抗いがたい脱力感。膝が震えているのさえ気づかず、桐吾の脳裏を駆け廻っていたのは、一昨日の凄惨な記憶。


業火に焼かれる街並み、種族を問わず命を奪われる者達。純粋な破壊衝動をぶつけられ、ひしゃげていく膨大な数の生活。視界を覆い尽くす赤熱と、色を失う黒炭の山。

それに比してやけに鮮やかだった青空を背景に、それは飛翔していた。


赤褐色の頑健な鱗に身を包み、頭頂には五本の角を戴く。


一騎当千の武力を振るったその威容が、いま眼前に来訪していた。


ドラコベネ・ゼゼブ・ベネ・レゼ。


人を含め十の種族が跋扈するこの世界において、最強の怪異として君臨する龍族。その中から更に精鋭を集めた龍王直属の護衛集団を、宮廷闘士団といった。そしてドラコベネという龍は、その精鋭を束ねる団長を務めていた。


紛れもなく、世界最強の存在である。


「成程なあ、実は、いかいトカゲかも分かりまへんなあ」

「優れた擬態能力を持つ龍族が、その同胞を判別するのに用いる方法を知っているか?」

「さあ? 尻尾でも隠してはるとか?」

「殺してみて生きていれば同胞。死ねばそれ以外だ」

「……反吐が出る程合理的や事」


思考を塗りつぶすのは恐怖と畏怖ばかりで、その闇は現実を拒む。立ち向かう等と、抗う等と、そんな愚考はいますぐ改めて転回して逃走するべきだ。

捕えた二体の龍族等、まだ幼体に過ぎない。あれを相手に勝利したからと言って、龍族全体を敵に回せる等という考えは児戯にもならない。

絵空事だ。

夢物語だ。

いままで散々描かれ、それと同じだけ砕かれてきた夢の残骸だ。

ドラコベネ・ゼゼブ・ベネ・レゼ。


「解放すれば、それ以上の手出しはしないと約束してくれますか?」

「他種との約束はしない事にしている。約束とは、同じ目線の高さで交わされるべきものだからだ」


その龍に、虹子は交渉を申し出ている。なずなはその脇で剣を構えている。

なぜそんな事が出来る。冗談だろう?

無駄なあがきなのに、なぜ立ち向かう。無駄なのに。なぜ。無意味なのに。達成できるはずがないのに。


何を。

達成する。

支配からの脱却。


覇権を。


奪還を。


――だから取り戻しに行くのよ。奪われたもの全てを。

――十五年間、我々はそうしてきたのだから。


思考はぐるぐると回り、堂々巡りとなり、桐吾の視界も回っていく。

天地の区別がつかなくなり、視界にある色が渦を巻くように混濁して、暗転する。


何か張りつめていたものが切れる音と共に、桐吾は意識を失った。


しかし、その彼を誰が情けないと笑えるのか。この壊れた世界は、それを笑う程に残酷には出来ていない。そして何より、弱者の理想に微笑む程、優しくもないのだ。


それでも神は、暗転する彼の耳元で艶然と微笑みながら、こう罵って言ってのけた。


「きゅふふ。情けないお兄様です事」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る