色にまつわる物語
最上
ブラック1
君に激しく憧れた。
何でも
自分色に染めてしまう。
例えるのなら君は
「黒」だ。
*********
「お前の絵はセンスはいいんだけどなぁー。こう…自分の世界の中だけなんだよ。次の課題、がんばれ」
そう講師に言われ、俺は黙って頭を下げた。
ただ、
なんとなく美術の成績がよくて、絵を描くのも好きだったから美大に入った。
何かを描くときは、1番身近なものが多かった。
特に、空だ。
よく中学の頃や高校の頃は褒められたものだ。
だが、専門的な奴ばかりいるココでは、さっきの講師以外にも
「広がりすぎなだよ。お前の世界ばっか広げないでさぁー。1つにとどめろよ」
なんて友達にも言われる始末。
広いって何だよ。
1つにとどめる?んなことわからない。
そんな事を最近言われ続け…正直、自分の絵のあり方が分からなくなっていた。
それでも、空の絵だけはやめなかった。
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