第25話 猫に鈴


憂は薫子にそう言って、無理に微笑んだ。


多香子様のお姉さまがおっしゃるように、多香子さまはちょっと。。。正直なだけなんですよ。。。全く悪気もないし、気にしていませんから。。。薫子さんも、そんなことお気になさらず、多香子様とお付き合いされる方がいいです。。。わたくしのことなど。。。本当にお気になさらずにいて下さい。


でも。。。と薫子は言った。


あの。。。言っていけないことと、いいことと。。。あると思います。。いくら何でも。。。。


憂は薫子に、小さな声で、猫の首に。。。鈴をつけるようなことをなさらないで。。。と言った。


え。。。。?


憂は言った。とにかく。。。どうか多香子様には逆らわない方が。


薫子は少し憮然とした顔で、でもそれは。。。


憂は、薫子様ご自身のために。。。お願いします。多香子様にはどうか逆らわないで下さい。。。。


薫子は憂の冷たい手を握って、とにかく行きましょう、こんなに手が冷たくなってられて。。。と言った。

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