第22話 王子様


この人はわたくしの足が痛むと気付いて下さってるのだわ、憂はスーツについていたバッジを見た。このマーク。。。一矢様と同じクラブの人かしら?


満山のお付きの人に言えば、どこか、休む部屋を用意してくれますよ。。。呼んで来ます。


いえ。。。本当に結構です。。これ以上。。。ご迷惑かけられません。。。

。。。


大事にしたくない憂を見て取ってすぐ、そうですか、と彼は引き下がった。


これ。。。洗濯して、アイロンをかけて、まだ使っていませんから。。。


差し出されたハンカチはきちんとプレスされていて、複雑な模様のブルーの織りのチェックで、案外とふっくらとしていた。


返さなくて結構ですよ、使った後、気にしないで捨てて下さい。。。


それだけ言って、憂の両手にハンカチを握らせると、すっと廊下の先に消えた。

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