第19話 意地悪


多香子の姉は、止めなさい、本当のことを言って人を傷つけてはダメよ、と言った。憂は、多香子の姉が良い人なのか、それともとんでもなく意地悪なのか、それはもちろん、多香子と同じように、わざと言っていると知っていて、静かに、良くそんなふうに言われますから、気にしていません。。。どうぞお先に行って下さい、ここは冷えますから。。。そう答えた。


多香子の姉は、あなたもお兄さんが来れないなら、来ない方が良かったかも知れないわね、と言った。ほら、だって、 あなたが困る以上に、周りの人も迷惑なわけでしょ?


最後の方は、誰にも聞こえないように耳元で言った。あなた、2つ上の学年の中じゃ、あまり良く思われてないわよ。。。いつも。。。お兄さんがいない時って、男子にくっついてるそうね?


弥生は、憂をじろじろと見つめた。もしかして。。。いろんな噂って。。。案外と本当なのかしら?


側で聞いていた薫子が友を心配そうに見た。多香子は、ぞっとするくらい快活に、じゃあ、遠慮なく先に行くから、その先の座敷でね。。。と言った。

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