お仕事、おしまい
それを見ながら緊張の糸を切ったスクナは、全力疾走した後のような胸の躍動とそわそわする感覚に包まれながらも、駆け寄ったて来たチナミに疲れた顔で笑んで見せた。
「班長、出来ました」
「よくやった。さすが私の部下だ」
「ありがとうございます!」
スクナは気だるい感覚の中嬉しそうに笑った。スクナにとって、チナミは尊敬できる班長だ。褒められて悪い気持ちなどしないことは普段の態度からもわかる。
無邪気なスクナにこちらも疲れたように笑みを返しながら、チナミはぽつりと呟いた。
「しかし……」
「しかし?」
「きっとこの後片付けも私たちの仕事になるだろうな……」
「いっ……!?」
うつろな目でどこか遠いところを見たチナミに驚いて口を開こうとした瞬間。
頭に鋭い衝撃が来て目の裏で火花が散る感覚と、ごとんと重い音を聞きながら。スクナは周囲に散らばる本の中へ埋もれるように闇の底へと意識を落とした。
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