Riddle 〜魔法師たちのお仕事〜
小雨路 あんづ
第1 問『あるところでは、四季が秋春夏冬の順になっている。しかも一週間は金曜日から始まる。さあ、そこはどこだ?』
すべての始まり
かつて、数えるのも遠い神代の昔。
領土をめぐり、人をめぐり、たやすく引き起こされては長く止まぬ戦い。度重なる戦争により困憊し、擦り切れ、荒廃した世界。
そんな世界の声なき悲鳴に、創造主は答えた。
「汝ら、‘知恵深き‘を自称する者たちよ。同胞の屍の上に立つ者たちよ。器の肥大した小さき者たちよ。
我は問う。汝らの知恵とは何ぞや?」
人々は言った。火をおこし、水を沸かし、日常を営むことであると。
だが、大地には数多の血が染みこみ、黒煙が空を覆いつくし、植物もなく疲弊しきった世界を前に、その言葉には虚しさ以外の響きはなかった。
「否。‘知恵深き‘ものたちよ。我は認めぬ。
汝らが我に示した知恵とは、火をおこし相手を焼き払い、水を沸かして相手を傷つけ、侵しあい、殺しあう。これが日常であると言うのか」
そんなことはない、という言葉はどこからも上がることはなかった。上げることは出来ようもなかった。
それは全て、真実であるために。
「‘知恵深き‘ものたちよ。小さきものよ。汝らの魂がその身の5部であることを知れ。武力ではなく知力を尽くせ」
では、どのように知力を示せと言うのかと人々は創造主に問いかけた。
「この世界に通じる万物に、その魂に謎を与えよう。それを解き、己が力とせよ」
かくして、創造主により荒廃以前までもう一度巻き戻された世界。
争いを続けていた小国はやがて集まり5つの国を作ることで終戦を迎えた。
それがのちに2大大国・雨ノ国と晴ノ国、これに雪ノ国と雷ノ国、曇ノ国をくわえた5大国と呼ばれる国々の始まりの歴史だ。
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