プロローグ 『電子窓の部屋[in her room]』 その2

×トリシャ×


 人一人が持つ世界は、その目に映るものだけだ。

 けれど、実際には世界は目に映っている外にも広がっている。

 人間が観測することで世界が生まれるなんて理論を唱えた人間が居たが、そんなことはない。人間が見ようが見まいが、世界は外に広がっている。

 理性の無い、世界を見ない獣しかいない世界でも、世界は広がっているのだろう。

 なら、人が観測することで生まれる違いはなにか。あるいは、観測しないことで生まれる違いとは何か。


「……それは、私の中の世界」


 ぽつりと、部屋に唯一存在する『窓』に手をやりながら肩に軽くかかるほどの金髪に黒い目を持つ少女はつぶやく。部屋着のパジャマの裾から覗く肌は白く、長く日の光を浴びていないのは明らかだったが、病気の類に犯されている様子はなかった。

 クリーム色の壁の部屋。整理整頓された、生活必需品が並んだ部屋。大きな本棚には少女のこれまで使った娯楽品の全てが並んでいる。


 そこは少女の世界だった。

 その部屋だけが少女の世界だった。


 外は知らない――『窓』という名の液晶画面に映った風景は、外を映しているというが真実かどうかを確かめるすべを少女は持たないがゆえに、外に広がる世界であるかはわからない。

 そう、だから、この部屋の中しか知らない少女は思う。

 外の世界は観測したことがない。そんな私にとって、世界とは。


「きっと、世界はパズルのようなものなんですよね」


 虚ろな瞳で海を映す電子の窓をみながら、微笑みを浮かべて少女は自分の世界を想う。

 少女は世界の多くを学んだ。本から、多くを学んだ。

 世界には多くの物がひしめくように存在していると、少女は思っている。しかしそれがある程度の法則、区分に従って、理論に従って、繋がりを持ってこの世に並んでいるとは到底思えなかった。

 けれど、雑多とも言い難い。世界が混沌としているとは、どの本にも書いていなかった。

 だからきっと、この世界は立体パズル。

 法則の違う世界のピースががちゃがちゃと、音を立てて組み立てられた玩具のようなものに違いないと、少女は思う。

 その思索が真実であるかどうか。それを少女が知ることはないのだが。

 なぜなら、少女には足がなかった。

 おそらく生まれた時から存在しない膝から下。少女が歩き、この部屋を出て、世界の姿を確かめることはきっとない。

 一応、今乗っている電気駆動の車いすを使えば外に出ることは可能だろう。しかし、世界の真実の姿を確かめるのに足がないのは致命的だ。

 少女は行けない。観測しえない。

 ゆえに少女の考える世界真実かどうかはわからないが――ただ、そんなものは関係ない。

 少女は、少女が考える世界を観測している。

 ただ広がる世界を見る必要はない。少女がそう思うならば、世界とはそういう形であるのだから。

 人間が観測することで、違いが生まれるもの。

 それは人間の『中』に存在する世界。

 観測して世界を定めるというならば、逆も真実。

 つまり、世界を観測したことで、自分の中の世界が固定化される。

 ならば観測を行わない限り、少女の世界は変容しえない。物質的な固定にとらわれない少女の世界は、現実にありえない想像をかきたてる。


 ……きっと、いつか。

「きっといつか――世界のピースが崩れ落ちて――」


 ……この部屋を巻き込んで、崩して。

「一歩踏み出せば異世界で――」


 ……空か、海か、砂漠か。

「広がるんですよね、きっと」


 柔らかに微笑みながら口にする想像は真実だ。少なくとも、少女の中では。

 だから。

 だからだろう。

 少女は、部屋に忍び込んだものに対しても、なんの不思議も抱かなかった。


『おい、お前、人間か?』

「はい?」


 操作レバーを使って車いすを移動させ、少女は振り向く。しかし声を発したと思しきものは視界にはなかった。部屋への出入りにはドアを使わなければいけないのだが――と。


『こっちだ、こっち』


 そのドアの間、本来ならば一ミリとしてないはずの隙間から、ぺらぺらの影のようなものがゆっくりと這い出してきた。

 影はドアの隙間から這い出た部分から徐々に立体感を取り戻していく。その姿は体長が二メートル弱もある細い蛇のようだったが、頭が二つあり、体の中程には羽が四枚生えていた。

 完全に体を侵入させた蛇は、ぶるりと一度身震いすると、黒い体に浮かび上がる真っ赤な目を少女へと向けた。


『もう一度聞くぞ。お前、人間か?』

「そうですよ。私は人間です。そういうあなたは、どちらの人ですか?」

『ほぉ。いきなり出てきた得体のしれないものに向かってなんの感慨も抱かないとは変な奴だ。オレが怖くないか?』

「羽の生えた喋る蛇くらい、いるでしょう。世界とは、そういうものですよね?」


 少女の言葉に、か、と短く笑い声のようなものを蛇は吐いた。本当に笑い声であるかどうかはわからなかったが、それでも、楽しげであるのは少女にも伝わってきた。


『面白いな、手前。こんなところで引きこもってるのはもったいないと思うくらいだ。なんでここに居る? 外には出ないのか?』

「出てみたいという気はありますけど、お父様は許してくれませんし……それに、この足ですから。どうせ見渡せる世界が限られているなら、この部屋の中にずっといても変わらないのかな、と」


 少し困ったように言うと、なるほどねぇ、と蛇はますます面白そうに頷いた。

 何かと話すのは久しぶりで、少女もその楽しげな様子を見ているだけで心が浮き足だつような気がした。

 少女の目に、わずかに光がともる。

 もっと話したい。……そう思った矢先のことだった。


『おっと。誰かくるな。もう少し話したいから、ちょっと隠れててもいいか?』

「お父様ですね、きっと。どうぞ、適当にベッドの下にでもいてください。少し時間がかかると思いますけど、大人しくしててくださいね」

『オーケー』


 気軽に答えて蛇はベッドの下に隠れた。それから数秒、少女の思い描いていたのとまったく同じ人物がドアを開けて入ってきた。


「トリシャ。元気かい?」


 少女の名前を呼んで現れたのは、白衣の男性。少女の父親だった。


「元気ですよ、お父様。お父様の方は……少し顔色が悪いですね。寝てます?」

「はは、少し研究が詰まっていてね。睡眠不足気味だ」


 軽く会話を交わしながら、少女とその父親は自然な、慣れた流れでベッドへと移動する。

 肩を並べて、座る。

 すると我慢出来ないとでもいう様に、父親は少女の体に手を伸ばし、服をはぎ取り始めた。

 それを、少女は受け入れる。いつものことだから。

 これが、少女の父親の愛だから。


「疲れているときくらい、寝ません?」

「それよりもトリシャを貪っている方がよほど頭が冴えるよ」

「ならいいですけど――あっ」


 押し倒され、少女は言葉通り貪られ始める。

 全身を舐られ、中をえぐられ、かき混ぜられて。

 二時間ほどをかけてたっぷりと父親は少女に愛を満たすと、さらに三十分ほど和やかに会話をしてから部屋を去った。

 淀んだ空気を流すため、空調が強く唸る。片付けは父親が丁寧に行ってくれたものの、少女の体からは染みついたもののにおいが立ち込めるようだった。


「お風呂でも入った方が……」

『おう、そうしろそうしろ。イカ臭くてやってられないったら』

「あ、そういえば居たんでした。すみません、忘れてて」


 ベッドの下から這い出してきた蛇を見て、今更ながらその存在を思いだす。少女にとって父親に愛されるのは強烈に脳裏を焼くような体験で、終わってしばらくは頭が回らなくなってしまうのだった。


『あれ、血のつながってる父親か?』

「そうですよ?」

『嫌とか思わないのか?』

「お父様なりの子供の愛し方だと思ってますから、別にって感じです」


 少女がそう思うのは、父親が他の子供に辛く当たっているのをこっそりと聞いたことがあるからだ。声だけだったが、父親が獣のような唸りを上げて他の子を叱っているのを聞いた時は、心から同情したものだ。

 最近――一年か、二年くらい前だったか――ともかく、少女にとっての『最近』、部屋の壁を厚くされたため、外の音はしばらく聞いていないから、今もそうであるかはわからなかったが。

 声を聞いた限りでは、他の子供は男のようだった。きっと、父親は愛を示す方法を少女にやっているようなものしか知らないのだろうと、少女は考えていた。だから男の子供相手では、怒るしかないのだろうと。

 それに、犯され始めてもう六年も経つ。

 最初から抵抗感はなかったし、今ではもはや日課で、少し楽しんでいるくらいだった。


『はぁん。どこもかしこもおかしなトコに来ちまったな。この部屋も、お前も、別世界みたいだ』

「この部屋は外とは違って私の私室ですから、違ってみえてもしょうがないと思います」


 少女が言うと、蛇は何か言いかけて、代わりにため息を吐いた。意味は分からなかったが、少女は他に聞きたいこともあったので、ため息の意味は聞かなかった。


「そういえば、蛇さんはどこから来たんですか?」


 ベッドの上から椅子に移り、シャワーを浴びるためにタオルを準備しながらふと気になって尋ねてみる。すると、蛇は誇らしげに胸を反らすような仕草をしながら言った。


『他の世界を渡ってここに来たんだ。いくつか繋ぎ合わせた世界を回ってるうちにここにたどり着いて、この建物を調べてたら人の気配があって、部屋に侵入したってワケ』

「繋ぎ合わせる? 世界を? パズルみたいに?」

『呑み込みが早いな。そうさ、オレの世界はパズルなんだよ。いろんな世界をつなぎ合わせた立体パズルの原寸地球儀――それこそがオレ、世界編成器に与えられた世界だ』


 ところどころ、理解できない言葉の意味が、概念が含まれていた。

 それでも、少女は一つだけ理解した。

 この蛇は。この存在は。自分と同じ世界を持っているのだということを。


「世界は――世界はパズルなんですね! 私が思っている世界は、合っていたんですね!」


 抑えきれない胸の高鳴りのままに、タオルを放り捨てて声をあげ、蛇の方へと近寄る。


『お、おう? なんだ、急に』

「その世界、私も見ることが出来ますか? 私も、その世界を見渡すことが出来ますか? 私の世界を――私は観測することが!」

『私の世界? ……お前、もしかして』


 蛇が驚いたように身震いしながら少女の体を取り囲む。

 そしてその体から、ずるずると音を立てながら一本の杖を生み出した。影絵の中から生まれたような真っ黒な杖は、しかし蛇の体を離れると木目が浮かび上がる。

 落ちてきたそれを、少女は掴む。両手で、しっかりと。


「これは?」

『しっかり握れ。もしもお前の抱える世界がこのオレのものと同じなら、お前はオレの世界を見ることが出来る』

「世界を――」


 ……見たい。

 心の底からただそれだけを願って、少女は目を強く閉じた。

 世界を見たい。パズルのような、私の中にある世界を形にしたものを見たい。


『開くぞ』


 軽い調子の蛇の声が響いた――かと思うと、少女は自分が座っていたはずの車いすの感触がなくなったことに気付いた。久しく感じていなかった、怖いという感情が揺れて、杖を一層強く握りしめる。


『おい、手が白くなるくらい握りしめんな。痛めるぞ。あと、もう目は開けて良い』


 言われて、恐る恐る少女は瞼を上げて行く。うっすらと開いた瞼の間からは、暗い、ただ暗い空間が見えた。だが、その先には光もあって、それを求めて恐れをねじ伏せて目を開けていく。

 そして、開けた視界の先には。

 地球があった。青く、大きく、そしてパズルのピースの区切りのような、白いラインがいくつも走った地球が。

 距離感が狂うほどのサイズ。青い天体の周囲には月より小さいサイズの衛星が四つほど、規則的に動いている。

 周囲の真っ暗な空間は宇宙、ではないようだった。なぜなら星が無い。いくら見渡しても、暗い空間には青い輝きを放つ宝石のような、立体パズルの地球が存在するだけだった。


「これ、は……」


 触れられるモノが杖しかなく、不安にかられてそれを強く握りしめながら、自然と疑問を口にする。

 これは、何か。

 それに蛇は答えた。


『お前の世界だ。そしてオレの世界でもある。――おお、喜べよ、偉大なるものメギストス! お前の魂は人の見果てぬ高みより、全てを見通しているのだ! ってな』


 芝居がかった口調で、いつの間にか大きくなった翼を羽ばたかせながら蛇が祝福する。

 それを半ば聞き流しながら、聞くことを忘れながら、少女は瞬きも忘れて己の世界の光を瞳に収めながら呟いた。


「これは……あなたが作った世界、なんですか?」

『その通り。さっきも言っただろ? オレは世界編成器。星の数よりも多く存在する世界を部分的に切り抜いて、組み合わせて、好きなように作り替えられる。今目の前で組み合わされている世界のピースは鏡像みたいなもんだが、同時に本物だ。そこを歩いた時、オレたちは確かにその世界の大地を踏みしめている。その世界の空気を吸っている。ま、ピースを超えて移動は出来ないが、運が良ければ同じ世界の違う部分を旅することも出来る』

「誰でも来れるんですか? ここって」

『まさか。オレ自身、このオレという作られた世界観に共感できる生物が存在するなんて思ってなかった。お前は特別だぜ、メギストスよ』


 そこでふと、感動から抜けかけていた少女はさっきから蛇の言っている言葉に引っ掛かりをようやく覚えた。


「さっきから言っているメギストスって、なんです?」

『偉大なるもの、って意味だよ。ヘルメス・トリスメギストスって知らないか? 神話の人物だが。そこからとってんだよ。オレの持つ、人では見れないはずの世界に共感する偉大なるものってことだ』


 ヘルメス・トリスメギストスは複数の神話や伝説が統合された錬金術師だ。賢者の石を唯一手に入れた人間、とも中世には言われていたという。


「けど、なんでヘルメス?」

『オレの名前はケリュケイオンだからな』


 ヘルメスつながりだ、と言う蛇――ケリュケイオンの言葉に、少女は自分の中の知識を引っ張りだしながら納得する。

 ケリュケイオンはギリシア神話における神々の伝令使、ヘルメースの持つ杖だ。言われてみれば、翼の生えた双頭の蛇というのはケリュケイオンの特徴と合致する。少女が今手に持つ杖に絡み付けば完璧だろう。


「……まさか本当に神様の杖なんですか?」

『まさか。オレはある世界の科学者が作った、名前だけもらったニセモンだよ。だからってホンモノに負けるつもりもないが、な』


 話しながら、ちろりと真っ黒な舌を覗かせながら蛇は少女の手に持つ杖へと巻きついてきた。すると次の瞬間、存在しないはずの少女の膝から下の部分に、ゆっくりと光が集まり始める。

 何が起こっているのかわからず戸惑いの表情を浮かべる少女に、ケリュケイオンは楽しげに問う。


『メギストスよ。お前、オレとこの世界を旅する気はあるか?』

「旅……行けるなら、行きたいです」

『そう答えてくれると思ってたぜ。であればお前に足を授けよう。オレの体を切り分けた黄金の足だ。大事に使いやがれよ』


 少女の答えに満足そうに蛇が頷くと、膝下に集まっていた光は足を形づくった、黄金の輝きをまとったそれは、しかしすぐに少女の肌と同じ滑らかな色合いと艶を持った足になった。

 今までパジャマの裾から覗く足の甲。しばらくそれを見開いた目で見ていたが、少女はおそるおそるパジャマをめくって膝から下をぺたぺたと触って確認する。


「あし……これが、私の、足?」

『歩いてみりゃ実感もわくだろうよ。最初は歩きやすい世界に行ってやるから安心しな……っと、そういや名前聞いてなかったな。とり……しゃ? とかあの親父は言ってたが』


 今更ながら名前を問われて、少女は一度足から視線と手を離し、杖に巻きついた蛇へと向き直る。


「そうでした。私は、トリシャです。真木(まぎ)トリシャ」

『トリシャな。いい名前だ。改めて、オレはケリュケイオン。これからよろしく頼む。長ったらしいからケイでいい』

「ケイですね。よろしくお願いします」

『それじゃ早速行くか――いや、その前になにかやり残したこととかあるか? 一応親に挨拶するとか』


 一瞬悩むが、トリシャは緩やかに首を横に振った。


「お父様は私が出ていくと言ったら怒り狂いますから、言わない方がいいです、きっと。しいてやりのこしたことといえば……一つありますけど」

『おう、なんだ? 言ってみろ』


 ケイに促されて、トリシャは少し恥じるように頬を押さえながら答えた。


「その、『初めて』の時にお父様が『優しくするから』と言ってたのにかなり痛かったので……その仕返しだけはしておきたいなと思ってたんです」


 言った途端、ぷ、とケイは噴出した。


『あははは! そうだな、そりゃそうだ、嘘つくのはワリィもんなぁ! いいだろう、その仕返しはオレが今やっておいてやる』

「どうやって?」

『こうやんのさ』


 杖から離れたケイは、大きく口を開いたかと思うと真っ黒な棒を取り出す。そして羽でくるりと宙に円を描くと、そこに現れた穴の中に棒を突っ込んだ。

 瞬間、聞き覚えのある声音の悲鳴が穴の中から漏れてきた。ぎゃっ、という殴り飛ばされた犬のような声を聞いて、トリシャは目を丸くする。


「今のは……お父様の?」

『オレは空間をある程度自由につなげられる。その力で、お前の親父の尻にさっき出した棒切れを突っ込んでやったのさ。こっそりな』

「それは……ふふ。あはははっ。それはもう……とてもいいですね!」


 自然と口元が緩んで、笑いが漏れてしまう。晴れやかな気分というのはこういう時のことを言うのだろうと、トリシャは初めて感じた。


『気に入ってくれたようで何よりだぜ。さ、あとは何かないか? 服は用意してやるから、気にしなくていいが』

「他には何も……服も用意してくれるなら、問題ないです。食べ物は現地調達ですか?」

『おう。どうしても手に入らない時は適当に用意するから安心しな』

「なるほど。――では、行きます。何も省みるものはありませんから」

『身軽なのはいいことだぜ』


 ケイが体を肥大化させていく。そして肥大化した体を、トリシャの全身を包むように巻きつけてきた。


『これから移動する。怖かったら、目を閉じてな』

「それは……悩みますね。目を閉じている時と居ない時で、なにか変化があるかもしれないと思うと、どっちも経験しておきたいです」

『肝が据わってていいことだが、一回目は酔うかもしれないから閉じとけよ。そのうち開けたまま運んでやる』

「わかりました」


 大人しくしたがって、目を閉じる。包まれたことでほとんど光が目に入らない状態だったが、目を閉じると完全な暗闇になった。

 けど、恐れはなかった。ケイが自分を包み込んでいるからか、杖を握っているからか。

 わからないが、とにかく、恐れはなく。


「……楽しみです」


 そんな言葉が自然と漏れ出してしまうような心だけがあって。

 トリシャは、立体パズルのような世界へと、包まれたまま落ちて行った。

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