第18話
困ったことが起きた。 流氷が、ゼリーになったのだ。 真っ白だった流氷が、透明のゼリーになった。 専門家は、
「地球温暖化の影響でしょう、いずれにしても春になれば溶けます」と言った。 ところが春になってもゼリーになった流氷は溶けなかった。 それどころか数を増して、プルプルと増えるばかり、探査船を出して、調査が行われた。 すると氷が崩れ落ちる瞬間、ゼリーに変わっているのがわかった。 だが原因はわからない。 やがて夏になった、するとゼリーは表面が少し溶け、ゼリーどうしが次々とくっついた。 次々とくっつき、ゼリーの大地になった時、ポヨン、と消えてしまった。 それは夏じゅう続いた。 秋になるとまたゼリーは押し寄せ、冬を越し、春を越え、夏になるとまたポヨン。 それは何年も続いた。 観光客も押し寄せた。 原因はいつまで経ってもわからなかった。 やがて、何十年も経ったある日、
「ごはんよー、ゲームやめなさーい」と空から声が聞こえた。
「はーい」と子供の声で返事が聞こえ、流氷は氷に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます