第18話

困ったことが起きた。 流氷が、ゼリーになったのだ。 真っ白だった流氷が、透明のゼリーになった。 専門家は、

「地球温暖化の影響でしょう、いずれにしても春になれば溶けます」と言った。 ところが春になってもゼリーになった流氷は溶けなかった。 それどころか数を増して、プルプルと増えるばかり、探査船を出して、調査が行われた。 すると氷が崩れ落ちる瞬間、ゼリーに変わっているのがわかった。 だが原因はわからない。 やがて夏になった、するとゼリーは表面が少し溶け、ゼリーどうしが次々とくっついた。 次々とくっつき、ゼリーの大地になった時、ポヨン、と消えてしまった。 それは夏じゅう続いた。 秋になるとまたゼリーは押し寄せ、冬を越し、春を越え、夏になるとまたポヨン。 それは何年も続いた。 観光客も押し寄せた。 原因はいつまで経ってもわからなかった。 やがて、何十年も経ったある日、

「ごはんよー、ゲームやめなさーい」と空から声が聞こえた。

「はーい」と子供の声で返事が聞こえ、流氷は氷に戻った。

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