第16話
「オン ハニャニャーーー」何やら呪文を唱え、占い師は目の前にあるピンク色のゼリーをのぞき込んだ。
「あなたの前世は、スライムです」私はズコーと心の中でずっこけながら占い師にたずねる。
「ス、スライムですか、あのズルズルでベチャベチャの、最近はプルプルしてるのもいるとかいう」
「そうです、スライムです」占い師はきっぱりと断言する。 それにしても、いくらゼリーをのぞき込んで占いをしていると言っても、スライムとは。
「それで、私は恋愛運を占ってもらってたんですけど・・・」私はたずねた。
「そうですね、恋愛には、あまり役には立ちませんね」また、きっぱりと占い師は断言する。
「役に立たないって、そんなこと聞いても仕方がないじゃない・・・」私が言いかけると、占い師は
「しかし、スライムといえども獲物に襲いかかることがあります。 あなたも積極的にお相手の方に向かっていってはどうですか?」と言った。
「そうですか」
「そうです、ご幸運を」そう言って、そのやけにきっぱりと言い切る占い師はさっと幕をおろしてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます