矛盾の子猫
おにぎりは海苔が湿ったほうが好きだが
洗濯物は乾いたほうがいい
朝の太陽は嫌な気持ちを失ってくれるが
夜の豪雨に浸るのも暗いサンバがそそる
玄関の靴は刀のように磨いているが
泥にまみれることが美しい
名詞を無くすと矛盾している
話した時の次の時
乾いたおにぎりを食べ
湿った洗濯物を羽織り
朝の雨に打たれ
夜の星座に耳を貸し
玄関先の刃こぼれた靴に
なるべく泥で汚れないようにした
矛盾していたがそれも面白い
そんな私は矛盾の子猫
湿った服は羽織りたくなかったが
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