聖剣と魔剣が通販で届いたので異世界転移しちゃいました。
繰咲絢
プロローグ
俺はどこにでもいる普通の高校生でチャラ男、イケメンスポーツマン、秀才とはかけ離れているオタクだ。
中学二年生の頃に、厨二病という謎の病にかかり、2年もかけて治し今の俺に至る。
俺は今下校途中である。
リア充なら高校の帰り道をファミレスに行ったりして楽しむのであると思うが俺はソロ充なためいつも一人で悲しく帰っている。
これが俺の青春なのかもしれない。
ガチャ。
俺は深く息を吐きながらも家の玄関を開ける。
「ただいま」
はあ。誰か帰った時に「おかえり」って迎えてくれる人がいればな。
俺は一人っ子であり、サラリーマンの父親とコンビニバイトの母親に育てられた。
俺が靴を脱いで部屋に戻ろうとした時だった。
家のインターホンが俺を呼び止めるかのように鳴る。
扉のガラスからぼやけて何かの影が見える。
それは帽子をかぶった人間であったため俺は宅急便の人だという事がすぐにわかった。
「今開けます」
ドアを開けると緑の帽子をかぶったおじさんが立っていた。
その後ろには人間が一人入るくらいのサイズのダンボールが置いてある。
これは俺がomazonで一昨日頼んだプラスチック製の剣である。
なんで頼んだかって?
久しぶりに剣を振り回したくなったからだよ。
「すみません。ここに判子もらってもよろしいですか?」
宅急便の人が、重たそうにダンボールを持ち上げながら指をさす。
「ちょっと待ってもらってもいいですか?」
いやいや、プラスチック製の剣で軽いはずなのに、なんでこんな重そうに持つんだ。
そんなに宅急便の人って力無いの?
「はい!大丈夫ですよ!」
俺はリュックの中にある判子付きボールペンを取り出し、判子を押す。
「ありがとうございます!」
宅急便の人から商品を受け取るとその人は帽子を脱いで頭を下げた。
それに対して俺も頭を下げドアを閉めた。
俺はそのダンボールがあまりにも重いことがわかった。
なんでプラスチック製の剣がこんなに重いんだよ。
4千円のクオリティに期待するとでもするか。
剣を持つ部分が鉄製とかでできてるとか?さすがにそれにしても重すぎるか。
ダンボールを持ち一歩歩いては降ろしてを何回も繰り返してやっと部屋についた。
階段が災難であったことは言わなくてもわかるだろう。
俺は額の汗を腕で拭き、乱雑にボタンをはずして制服を脱ぎ捨てる。
ダンボールにはomazonと書いてある。
omazonとは品揃え一位を誇るweb通販サイトである。もちろん品揃いだけでなく、売り上げも1位とのことだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます