この素晴らしい世界にラブコメを!

ヤマト

第1話 この素晴らしい世界にラブコメを!

俺は悩んでいた。

何をかって?

今俺の目の前にいるだけは綺麗だがやることなすことすべてが空回りする駄女神をどうイジメてやるかだ。

おっとこれだけでは俺が完全に悪者に聞こえてしまう、聞いてほしい。


それはなんの変哲もない朝のことである。

「ねぇねぇカズマさんカズマさん」

カズマというのは俺の名前だ。

とある国で自宅警備の任を受けていた俺はそれはもう立派な警備兵だった。

しかしなんかかんやあって俺は死んでしまった。死因は思い出したくもない…

「どうした?アクア朝からお前の話なんか聞きたくもないんだが」

俺に話しかけてた女神(笑)のアクアに返事をする。

パッと見ルックスは完璧なんだが中身が残念すぎて正直めんどくさい。

「どうして朝からそんなこと言われなくちゃならないのよ…まぁいいわ。

カズマ!久しぶりに外でも散歩しない?」

「なんで俺がお前なんかと散歩しなくちゃならねぇんだよ。めんどくせぇ」

「ひどい!カズマ!なんで私だけそんなに扱いが雑なの!?私女神よ!?神の気まぐれに人間が振り回されるのは当たり前でしょ!?」

「神様ってのはなエリス様みたいなのを言うんだお前みたいなトイレ掃除と宴会芸しか取り柄のないやつは神様なんて呼ばない」

「あああああああああ!!!言っちゃいけないこと言った!!うわああああんダクネスぅーカズマがイジメてくるぅぅぅ!!!」

アクアはそばに居た金髪碧眼の騎士に泣きつく。

彼女もアクアに引けをとらないルックスと男受け良さそうな実った体をしている。正直超えろい。しかしそれだけなら俺も彼女を好きになっていたかもしれない。彼女はその…

「カズマ、あんまりアクアをイジメてやるな、そうイジメるなら私にしろ!さあ!今すぐイジメてくれ!金なら払う!」

超弩級M体質なんだ。

「おいダクネス、あんまりアクアを甘やかすなよ。そいつはほっとけば調子に乗るやつなんだ厳しいくらいでいいんだ。」

「カズマの鬼畜!外道!クソニート!童貞!もういいわ、ダクネス私と散歩しましょ!」

「む…すまないが私は用事があってな…まてまてまて!そんな涙目でこっちを見るな!」

「しかしどうしても席を外せないんだ悪いがここはめぐみんと一緒に行ってきてくれ」そういってダクネスはちょうど階段から降りてきた黒い髪に紅い目をした少女に視線を送った。

「どうしたのですか?みんな私の方を見つめて」

14歳の黒髪少女…第二次性徴はまだのようでお子様ボディをしている。一部の人間には需要がある見た目だ。

「すまないがアクアと散歩に行ってやってくれないか?私は外せない用事があるしカズマは嫌がっているしお前しかいないんだ。」ダクネスはそういってめぐみんに状況を説明する。

めぐみんもルックス面を言えばアクア、ダクネスには引けをとらない。だが彼女もまた……

「そういうことですか…すみません私も今日は午後からゆんゆんととあるところに爆裂魔法を撃ちに行くので…行けませんね」

三度の飯より爆裂魔法が好きな変わり者だ……。

周りがこんな奴ばっかじゃまともに恋愛もできない。

あぁエリス様!可愛くて常識のある欲を言えば胸の大きい女の子を恵んでください…

「めぐみんもダクネスも来てくれないのね…?」

アクアは涙目で懇願するように上目遣いでめぐみん達を見た。

「すまない…」「すいません…」

そんなアクアに罪悪感を感じた二人は気まずそうに顔を背けて謝った。

「なぁカズマ…お前暇だろ?アクアと-」

「断る」

何か言おうとしてきたダクネスに即答した。

そもそも俺は暇じゃない。これから昼まで寝て昼飯食ったらゴロゴロして適当になんか物作りでもして夜になったら悪友《《》》達と大人のお店に行くのだ。

………うむ、超多忙だな。

「カズマのバカ!みんな嫌いよ!もう私一人で行ってくるわ!!」

そういって勢いよく家から飛び出した。

俺はこの時コイツについていってやればと後になって後悔することになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る