Lecture3:苗字(名字)

 江戸時代は、武士、豪農、豪商のみが苗字をつけることを許されていました。(原則として、公家及び武士などの支配階層に限られていた)

 それが明治維新により、従来の身分制度の再編が図られ、明治3年9月19日(1870年10月13日)に「平民苗字許可令」が定められました。

 この布告では初めて「平民」の語を用いて、平民に「苗字」の使用を許しました。

 しかし、当時の国民(平民)には、あえて苗字を使用しない者も多く、そのため、明治8年(1875年2月13日)に改めて名字の使用を義務づけました。

 それを、「平民苗字必称義務令」といい、すべての国民に苗字(名字・姓)を名乗ることを義務付けました。


 この苗字をつける法律施行に熱心だったのが、陸軍省だったことは余り知られていません。

 国民皆兵の名のもとに、徴兵令が出たのが明治6年です。

 しかし、徴兵令を出しても、まだ戸籍の整理が不十分だった時だったので、徴兵がスムーズにいきませんでした。

 そこで考え出されたのがこの法律です。


 内情を知った一部の国民が反対する中、政府は強引にこの法律を進め、したがわない家には勝手につけた苗字を標札にして打ち付けていくようなこともあったそうです。


〈苗字をどうやってつけたのか〉

① 江戸時代以前に武士であったが帰農した。江戸時代以前の名字あざなを名乗る

② 江戸時代から公ではないものの名字を名乗っていた

③ 江戸時代以前の先祖が名乗っていた名字を復活させた

④ 江戸時代から名字を名乗ることを許されていた

⑤ 庄屋、名主、お寺の住職などの方につけてもらった

⑥ 地域や集落で連帯感を表すためにみんなで名乗った

⑦ 自分で考えて名字をつけた


〈日本で最も多い名字ベスト30〉

1位   佐藤

2位   鈴木

3位   高橋

4位   田中

5位   渡邊

6位   伊藤

7位   山本

8位   中村

9位   小林

10位   加藤


11位   吉田

12位   山田

13位   佐々木

14位   山口

15位   斎藤

16位   松本

17位   井上

18位  木村

19位   林

20位   清水


21位   山崎

22位   森

23位   阿部

24位   池田

25位   橋本

26位   山下

27位   石川

28位   中島

29位   前田

30位   藤田



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