第10話 お一人様
「おぉ~ すごい!」
高級そうで豪華なエントランスにレオルは魅了されてた。
「それじゃあ私はこれで。」
博士とレオルが並んでいた後ろにいた英莉が帰ろうとしていた。
「あ、あの英莉さん!今日はありがとうございました!」
「いいえこちらこそ久々に楽しかったですよ。またやりましょう。」
英莉は笑いながら言った。
「それはまた他の機会に・・・」
「ふふっ、勝ち逃げは許しませんよ?」
不穏な言葉を残して英梨は去っていった。
「よーし、受け付け終わったから部屋行こ!」
今のやり取りの間に博士は受付を済ませてようである。
部屋につきドアを開け、入るとまたもやお高そうな空間が広がっていた。
部屋の窓のカーテンをあけると美しい夜景が広がっていた。
イルミネーションが、建物からもれるの明かりが、街中を照らす。
一際カラフルな光が瞬いている。歓楽街だろうか。
道路には自動車と思わしき物体が光の線を描く。
ふと、空を見上げるとこの世界に来て、公園で見た夜空とは全く異なり薄暗き闇が。
いくつもの摩天楼がそびえ立つこの都市では、人造の光が星空を塗りつぶす。
それは科学の進化によって造られたにもかかわらずとても幻想的であった。
「これは、すごい。」
夜景を眺めているレオルの後ろでソファーに座っていた博士が
「まあ、流石80階建てのホテルってところだよね。まあ、ここは54階だけど」
「それでもすごいですよ」
2人でワイワイもりあがっているとプルルル…と電話が鳴りった。
「?なんだろね。」
電話には博士が出た。
「はい…あぁそうですか。わかりました。」
ガチャと電話を切る。
「博士?何だったんですか?」
「レオル、ご飯いこ。」
「答えになっていないですよ!?」
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ホテルにあるレストランで食事をとることになった2人。
どうやらバイキング形式だった。
「じゃ、食事を始めよっか。」
「はい。おいしそうですね。」
料理を取り終え、さあ食べ始ようというとき、誰かがレオルの肩をたたいた。
振り返ると、英梨がいた。
「あ、英莉さん」
先程と違ってスーツ姿の英莉がいた。
黒い髪を後ろで束ね上げ健康そうなうなじをさらしだしている。
スレンダーな体つきにスーツがあっていて男装の麗人と言われればとてもしっくりくる。
できる女上司といったところであろうか。
「どうですか?満足していただけてますか?」
「はい!それはもう素晴らしいですよ!」
「それはよかったです。ええ、こちらもそう言って頂けると嬉しい限りです。」
英莉は満足げな表情でであった。
「ところで、英莉さんも食事ですか?」
「はい。ちょうどお仕事も終わったので」
「でしたら、一緒にどうです?」
と言った途端英莉が急に顔を近づけてきて
「い、いいのですか!」
すごくうれしそうな顔だった。
「は、はい」
「そうですか!ではすぐ料理を取ってきますね!」
すごくうれしそうに鼻歌を歌いながら料理をとりに行く英莉。それを見て博士が
「ねぇレオル。英莉さんって友達とかいないのかな?誘われたのよっぽどうれしかったみたいだけど?」
「いや真逆。そんなわけないしょう?」
「だよねー。あの齢で友達いないとかないよねー」
「そうですよ。失礼ですよ。」
しかしながら2人の心中では英梨=ぼっちの構造が成り立ちつつあった。
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