萌芽

まだ暗い場所にいた時の事を

呼吸もし始めたばかりの事を

君は覚えているだろうか

いや 記憶の欠片さえ残るはずもない


木々の葉の一枚一枚さえも輝く彩色が

そんな事など忘れさせてしまうのだから

あらゆる動物のけたたましい鳴き声が

君に前しか見えなくさせるのだから


目覚めたばかりの青い萌芽

その誕生を世界は大声で歓び

驚いた君は産声を上げて泣く

いまから 全てが始まるのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る