第40話 蠢く蛇②
その日。アティス王国騎士学校は、朝から騒々しかった。
「……何か、あったのかしら?」
「……そうだね。朝から変な空気だし」
講堂の長机。並んで座るアリシアとサーシャは呟き合う。どちらの少女も緊張した面持ちだった。なにせ、明らかに校内の様子が違う。
今朝登校した時、校内には外敵防衛を担う第二騎士団の騎士達、そして治安維持を任務とする第三騎士団の騎士達がそこら中にいたのだ。明らかに異様な光景だ。
しかも、始業時間になっても未だ教官がやってこない。
サーシャ達のクラスの担当教官は、自分にも他人にも厳しいことで有名な堅物だ。そんな彼が遅刻するなど初めてのことだった。
ざわざわざわ、と。
他の候補生達も異常に気付いているのだろう。講堂内はざわめきに包まれていた。
「……これは本当に何かあったのかもな」
ロックがそう声をかけてくる。
彼はエドワードと共に、サーシャ達の一つ上の段の長机に座っていた。
「……確かにね。ねえ、あなた達は何か知らないの?」
「いや、正直さっぱりだな」
と、アリシアの問いに、眉をひそめて答えるロック。
すると、彼の隣に座るエドワードが、
「……いや、俺はちょっとだけ知ってる。まあ、なんでかは分かんねえけど」
「えっ? オニキス、何か知ってるの?」
サーシャが少し驚いて振り向いた。
そして立ち上がり、上の段の長机に両手をついてエドワードと視線を合わせた。
「ねえ、オニキス。一体何を知ってるの?」
「お、おう……。いや、知ってるっていうか、見たっていうか」
かつての想い人――実は今でもたっぷり未練がある――に、間近で見つめられ、動揺するエドワード。そのためか、中々続きを話そうとしない。
すると、アリシアがジト目で睨みつけ、
「あのね。あなたはもう完膚なきまでに惨敗してるんだから、動揺しない。それより早く続きを言いなさいよ」
「ぐ、惨敗ってひでえな。……はあ、分かったよ。さっきさ、職員室前で見たんだよ」
そしてエドワードはようやく本題を告げる。
「赤い服の騎士達が、部屋に入っていくのをさ」
「「「ッ!」」」
サーシャ達が目を見開く。
赤い服の騎士。それは王宮警護を担う第一騎士団の騎士だ。
これで、この国の三つの騎士団すべてが揃い踏みになったことになる。
「第一騎士団まで出張ってるってこと……?」
アリシアが呆然とした口調で呟く。
「まあ、そうなるよな。けど、三騎士団が総出で動くなんて……」
と、エドワードが困惑混じりの声で語った時、
――ガチャリ。
不意にドアが鳴った。
すべての候補生の視線が講堂の入口に集まる。そして全員が目を剥いた。
そこにいたのは、彼らの担当教官。それと、赤い服を着た二人の騎士だった。
「……またせてすまない」
まずは厳かな声で教官が謝罪する。
続いて教官は、ドアの横で直立不動に構える騎士達に、無言で頷き、コツコツと足音を鳴らして教壇の前に移動した。
明らかに緊迫した空気。全候補生達の表情に緊張が走る。
そして教官は、両手を教壇につき、教え子達へと視線を向ける。
「……本日は重要な連絡がある」
教官は、そう言って話を切り出した。
「先日。『ドランの大樹海』にて魔獣の生態調査を行っていた第二騎士団所属・ライガス小隊が帰還した」
候補生達は目を見合わせる。
「魔獣の調査ってなんでそんなことを? 第二騎士団は魔獣と戦うだけだろ?」
「いや、敵を知りって奴じゃねえの?」
「けど、そもそもなんで『ドラン』なんだ? 『ラフィル』じゃなくて?」
いきなり騒がしくなる講堂。教官は大きな、しかし静謐な声で一喝する。
「――静粛に!」
シン――とする講堂。教官は言葉を続ける。
「ライガス小隊が行っていたのは、魔獣の生態というよりも、その情報から現時点の魔獣の総数を予測するための調査だ」
「総数ですか?」
最前列にいた一人の候補生が思わず反芻する。
別に質問ではなかったのだが、教官は律儀に「ああ、そうだ」と答え、
「……かつてそれを見誤り我々は……いや。すまん、話を戻すぞ。ライガス小隊だが、彼らは他の小隊とも連携し『ドラン』の調査を行っていた。そして結果、予期せぬものを見つけてしまったのだ」
候補生達は沈黙を守り続けている。
教官はさらに話を進めた。
「彼らが発見したもの。それは一撃で殺されたであろう《尖角》の死体だった」
「「「ッ!」」」
候補生達の間に驚愕が走る。彼らは当然、魔獣に関する講義も受けている。
その講義において《尖角》とは最強クラスの魔獣だったはずだ。
それが、たった一撃で――。
「発見した《尖角》は内臓が丸ごとなかったそうだ。その状況からライガス殿はこう推測した。『恐らく《奴》は《尖角》を見つけるなり、腹部に喰らいつき、固い外殻ごと咀嚼。内臓を一呑みした後、次の獲物を求めて去っていった』と」
淡々と告げる教官に、候補生達はざわめき立つ。
「――そんな馬鹿な! だって《尖角》ですよ! 鎧機兵五機にも匹敵する魔獣ですよ! それがそんな一方的に!」
「そうですよ! そもそも《奴》って……」
と、皆が騒ぐ中、候補生の一人――サーシャだけは呆然としていた。
「ドランの大樹海」の調査。
見つかった《尖角》の死体。
そして、教官が語った《奴》の話。
彼女にはそれだけで充分な情報だった。
なにせ、この九年近くもの間、何度も何度も「あの件」については調べたのだ。
確信するには充分すぎた。
「……サーシャ? どうしたの?」
どうも親友の様子がおかしいことに気付いたアリシアが、心配そうに声をかける。しかし、サーシャから返答はない。ただ青ざめるだけだ。アリシアは眉根を寄せた。
「……サーシャ? あなた一体――」
と、アリシアが再度問おうとしたら、
「――静粛に!」
再び響く教官の一喝。効果は絶大で候補生達はすぐさま沈黙した。
「お前達が動揺するのも分かる。だが、最後まで聞いてくれ」
そう前置きしてから、教官は神妙な声で本題へと入る。
「結論から言うぞ。『ドラン』で《尖角》の死体を見つけたライガス小隊は確信したんだ。これは《奴》――《業蛇》の仕業に違いないと」
講堂内が静寂に包まれる。
ほとんどの候補生が目を見開き、呼吸さえ忘れていた。
そんな中、サーシャだけは静かに肩を震わせていた。
「そ、そんな馬鹿な! 《業蛇》はまだあと一年は休眠中のはずだ!」
静寂を破り、声を張り上げたのはロックだ。
《業蛇》――。それは、災厄の蛇。怠惰にして暴食なる最悪の魔獣。
この国において、その魔獣の名を知らぬ者はいない。
「そうだよ! なんで今、《業蛇》が起きてんだよ!」
ロックにつられてか、エドワードも悲鳴じみた声を張り上げる。
他の候補生達は、突然の事態に呆然とするだけだ。
張り詰めた空気。教官は静かな眼差しでロックとエドワードを見据えた。
「……お前達の言いたい事は分かる。現時点ではまだ《業蛇》の姿の確認まではとれていない。しかし、高確率で奴はすでに目覚めていると三騎士団は考えている」
教官の言葉に、候補生達が壁際に立つ第一騎士団の騎士達に視線を向ける。
彼らは何も答えず沈黙するだけだが、それが逆に事態の重さを雄弁に語っていた。
静寂が講堂を支配する。と、
「……心して聞け」
湖畔に波紋を立てるように、教官が厳かに声を発した。
「環境でも変化したのか、原因は分からないが、《業蛇》はすでに目覚めている。それが何を意味するのか。この国で暮らすお前達ならば分かるはずだ」
全員が沈黙で返す。が、その中でサーシャだけは、くしゃりと表情を歪めた。
聞きたくない。その先を。その名称を聞きたくない。
しかし、そんな願いも空しく、教官は厳粛な声で告げるのだった。
「時期はまだ分からない。しかし、恐らくそう遠くない内に《
ざわめき一つない講堂。
その宣告は、静かに講堂内に沁み渡っていった――。
◆
コンコン、と。
ドアがノックされ、ガハルドは視線をドアに向けた。
そこは市街区にある第三騎士団の詰め所。団長たるガハルドのための執務室だ。
ガハルドは執務机の上の書類に目を通しながら、
「……どうぞ。開いているぞ」
入室の許可をする。すると、「ああ、失礼する」という声を共にドアが開いた。
ガランはちらりと入室者へと目をやり、
「……なんだ、アランか」
と呟く。入室してきたのは彼の親友・アラン=フラムだった。
赤い騎士服を身に纏うガハルドと同世代の騎士。第一騎士団の上級騎士であるアランは実はガハルドの幼馴染でもあり、家族ぐるみの付き合いをするほど親しい人間だ。
「……しかし、相変わらずお前はいつも鎧を着ているんだな」
「ほっとけ。鎧とヘルムはフラム家の正装だ」
と、不貞腐れたように答えるアランは右手にヘルムを、その体にはブレストプレートを装着していた。そう。その姿が示すようにアランはサーシャの父親であった。
「そんなことよりガハルド。さっき、うちの団長から聞いたんだが、今回の三騎士団合同の遠征に騎士候補生まで使うのは、やはり本決まりなのか」
「……ああ、決まったよ。なにせ、《大暴走》が近い可能性がある。騎士候補生達も予備戦力として考えなければならないし、ならば少しでも実戦経験を、戦場の空気を経験させておいてやりたい、という意見が多くてな」
「……う~む。それには賛同できるが……しかし……」
眉間にしわを寄せて唸るアランに、ガハルドは苦笑を浮かべる。
「お前の気持ちは分かるよ。私もアリシアとサーシャが心配でならないからな。しかし、騎士を目指す以上、避けては通れない道だ」
「……ぬうう」
「……まあ、公私混同かも知れんが、二人には極力優秀な上司を付けるつもりだ」
と言ってガハルドは立ち上がると、未だ呻き続ける親友の肩にポンと手を置いた。
「……ぬうう、お前がそう言うなら……しかし、《大暴走》とはな」
アランが苦々しく呟く。
《大暴走》。彼にとっては思い出したくもない言葉だ。
「……ああ、備えはしてきたが、まさか、一年も早いとは……」
ガハルドの口調も固い。
《
各町村、そして王都にまで押し寄せる魔獣達の大暴走をシンプルにそう呼ぶのだ。
(……あれだけは、何度経験しても慣れんな)
ガハルドは過去の《大暴走》を思い浮かべ、険しい表情を浮かべた。
何故、魔獣達は暴走するのか。その原因はすでに判明している。
たった一体。たった一体の魔獣の存在が、すべての原因であった。
その元凶たる魔獣の名こそが――。
「……《業蛇》、か」
「……ああ、すべて《業蛇》のせいだ。奴がいるせいで《大暴走》は起こる。そう。奴さえいなければ……」
と、暗い情念を燃やすアランを、ガハルドが窘める。
「落ち着けアラン。気持ちは分かる。しかし、だからといって奴を倒す事は……」
ガハルドの呟きに、アランが口惜しいといった表情で唇をかみしめる。最強クラスの魔獣を一撃で殺し、喰らうような化け物など対応しようがない。
「……分かっているさ。《業蛇》に勝てないことは」
結局、そう納得するしかなかった。
最悪の魔獣――《業蛇》。
アティス王国は、長い年月をかけて《業蛇》について調べ上げていた。
百年以上前から伝わる過去の資料。それを紐解くと、どうやらかの魔獣はグラム島の固有種らしい。何でも《業蛇》はその数百年の長い生のほとんどを地中深くで過ごし、普段は休眠しているそうだ。そんな生態のためか、意外なことに、《業蛇》に殺された人間は過去数人のみ。本来は無害な魔獣だ。
しかし、十年に一度だけ。《業蛇》は不意に目覚めると地上に這い出て、いきなり暴飲暴食を始めるのだ。その間は一切眠ることもなく、優れた嗅覚で獲物を探しては一瞬で喰らい、また次の獲物へと。それを信じがたいペースで数カ月も繰り返すのである。
結果、樹海を縄張りにする魔獣達は、昼夜問わず《業蛇》の危機に晒され、遂に耐え切れなくなり、樹海から逃げ出すのだ。たった一体の魔獣を恐れて。
――そう。《大暴走》とはつまり《業蛇》から逃げ出した魔獣の群れなのだ。
恐怖で正気を失った数百の魔獣の群れが、街へと押し寄せる。
その悪夢のような光景を打ち破るのが、二千もの鎧機兵達だ。戦争経験のない平和な国がこれだけの戦力を有しているのは、十年に一度の災厄に備えてのことだった。
そして今、一年早い、九年目にして再び悪夢が訪れようとしている。
「果たして今回はどれほどの被害が出るのか……」
ガハルドは嘆息した。が、ふと気付く。
何やらアランが思い詰めたような表情を浮かべている。ガハルドは親友の心情を察し、先程よりも深い溜息をついた。
「……アラン。そう身構えるな。それに言っておくぞ」
「……何だ?」
不機嫌そうに問うアランに、ガハルドは鋭い眼差しで告げる。
「今回の遠征の目的は、騎士候補生に『ドラン』の魔獣との実戦を積ませること。そして《業蛇》の存在確認だ。間違っても《業蛇》に手を出そうなんて思うなよ」
「……それはさっきも言ったろ。《業蛇》には勝てない。手なんか出さないさ」
表情一つ変えずに返答するアランに対し、ガハルドは眉をしかめた。
「……どうだかな。《業蛇》はお前にとってはエレナさんの仇も同じだ。もし樹海で出くわしたら、お前、反射的に襲い掛かるんじゃないのか?」
「…………」
「沈黙するなよ。はっきり言うぞ。《業蛇》は人の手には負えない。立ち向かえば死ぬだけだ。エレナさん亡き今、お前まで死んだらサーシャは一人になるんだぞ」
「…………ぬうう」
愛娘の名を出され、思わず呻くアラン。
ガハルドは額に手を当てた。やはり《業蛇》に挑む気だったのか。
「あのなアラン。お前が死んだら、俺がサーシャの面倒をみるなんて期待するなよ。すぐさま嫁に出すから、覚悟しとけよ」
アリシアを守るためにもな、と小さく付け足すガハルド。
それはガハルドにとっては冗談、もしくは皮肉混じりの言葉だった。しかし、アランはその想定外の内容に驚愕し、目を見開いた。
「よ、嫁? は、はは、何を言っているんだガハルド。サーシャはまだ子供だぞ。嫁になんて……そもそも相手がいないじゃないか。は、はは、悪い冗談はよせよ」
「ん? いや、丸っきり冗談でもないんだが……もしかして、お前知らないのか」
眉根を寄せるガハルド。アランは困惑の表情を浮かべた。
「な、何をだ?」
「…………」
ガハルドは無言だった。ただ真直ぐ親友の顔を見据える。
困惑し続けるアラン。そしてしばらく経ってからガハルドはようやく口を開いた。
「……教えてやらん」
「ガ、ガハルドッ!?」
「知りたいなら生きて帰ってこい。その時教えてやる」
「ぐッ! ひ、卑怯だぞ! ガハルド!」
「卑怯もへったくれもあるか。さあ、雑談はここまでだ。こう見えても俺だって忙しいんだぞ。早く王宮に戻れ、フラム上級騎士」
そう言って席へ着き、ふんぞりがえるような姿勢で書類に目を通し始めるガハルド。その右手は犬を追い払うように動いている。
アランは「ぐぬぬ」と唸り声を上げながら、
「くそッ! ああ、いいだろう。生きて帰って来てやるよ! だから、その時は絶対に、絶っ対に話せよな! いいなガハルド!」
「…………」
「沈黙すんなよ!? 頼むから返事しろよッ!?」
「あー……分かった分かった。その時は嫁の話でも孫の話でもしてやるよ」
「――孫ッッ!? ランクアップしてる!?」
愕然とするアランを横目で確認して、笑いを堪えるガハルド。
そして、再びしっしと手を振り、
「早く行け。お前だって忙しんだろ。部下が待ってるぞ」
「ぐぬぬ、憶えておけよガハルド!」
そう捨て台詞を吐くと、アランはバタンッと勢いよくドアを閉めて退出していった。
静かになった執務室。ガハルドは書類を置き、じいっとドアを見据えた。
「……本当に無茶をするんじゃないぞ。アラン」
すでに去ったであろう親友に声をかける。
そして、ガハルドは祈るように天を仰いだ。
「どうか、アランとサーシャを見守ってくれ。……エレナさん」
◆
そこは、深い、深い森の中。
その蛇は蠢いていた。大樹の如き蛇体を唸らせ、矢じりで覆ったような鱗で大地や木々を削りとる。その眼光は血のように赤い。
蛇の目的はシンプルだ。
食べたい。食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい。
蛇はどうしようもなく腹が減っていた。常に何かを口に入れておかなければ、今にも発狂してしまいそうなほど、凶悪な飢餓感に襲われていた。
忌わしい。この空腹感は本当に忌わしい。
蛇はあまり食事が好きではなかった。はっきり言えば嫌いであった。
何故なら何を喰っても味がしない。蛇にとって食事とは空腹感を抑えるための手段にすぎなかった。
対して、蛇は眠ることが大好きだった。
あれはいい。冷たい土の中、まどろみに包まれるのはまさに最高だ。
しかし、そんな睡眠もこの空腹の前では、中断するしかない。
不愉快だ。この上なく不愉快だ。
この空腹感を埋めるため、再びまどろみに包まれるため、蛇は獲物を探した。
――ズザザザザッ。
地を這いずる。そして見つけた。
黒い体毛に覆われた巨大な猿。その横には小さな猿もいる。
二体とも土ごと喰らった。少し口内で暴れているようだが、気にせず呑みこむ。
やはり味はしない。しかも、腹の足しにもならない。
蛇は次の獲物を探した。大きく息を吸うだけで、簡単に見つかる。蛇は近くの大樹に蛇体を滑らせ、一気に這い上った。そして空を跳ぶ。
そこには鷹がいた。大きな翼を羽ばたかせた空の王者だ。
人間ぐらい攫えそうなその大鷹を蛇は丸呑みした。翼の一部を喰らい損ねるが、まあ、いい。大体は喰えた。しかし、味はしない。
蛇は、ズズゥンと大地に着地した後、すぐさま次の獲物を求めた。
地中に潜り、突き進む。そして嗅覚が地上にいる獲物の匂いを捉える。
――ドンッ!
火山の噴火のように、蛇が地中から飛び出した。
同時に地上にいた四足獣らしき魔獣の腹を喰い破る。今度は少し食い出があった。
しかし、まるで足りない。この程度ではまだまだ腹は満たされない。
ああ、眠りたい。そのためには喰わなくてはいけない。
――次の獲物はどこだ?
そこは、深い、深い森の中。
その蛇は蠢き続ける。ただ腹を満たすための獲物を求めて。
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