虎落笛

ぼう〳〵

      ぼう〳〵

風が泣いてゐる。

何故なぜ。知らぬ。

とゞまることは許されぬ。だからか。

        ぼう〳〵

              ぼう〳〵

休みたくなることもあらうにきつとまればしんでしまふのだらう

         夜風の渦卷く川のほとりに

                    螢ひとすじ流れてとまる

ならばこのまゝ吹いてゐて欲しい。

                 ぼう〳〵

                       ぼう〳〵

             「ぼう〳〵」

      ぼう〳〵

            ぼう〳〵

——う。そんなやうに。

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