うさぎの夢の月

月のあかりにさそわれて

飛びはね空を見上げる

恋するように近づきたくて

かすかに色づく影は形をせわしなく変える


「神々しく光放つお月様

今宵はボクをその一部で包んで

叶えて

お願い」

一日限りの祈りを捧げる


月のあかりにさそわれて

風に揺られるススキにからかわれて

染める頬はお酒のせいではなくて


「お月様

お月様

今宵はボクをお供にして下さい

今宵はボクをお側に置いて下さい」

一日限りの祈りを捧げる


月のあかりにさそわれて

飛びはしゃぐことも忘れ

手を伸ばしたお酌も忘れ物

お団子片手に夢心地


願いが叶うは夢か

はたまた一日限りの悪戯か



太陽が青空と会話するころ

目覚めたうさぎが頬に手をあて

うっとり微笑む


ススキがふわふわ

朝日を浴びる


うさぎの夢見た月の夜

願いが叶うは夢か

はたまた一日限りの悪戯か

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