第8話 とりあえず休みたい
「楓ーーーーいつまで寝ているの?」と母親の声が聞こえてきたのである。私はあれから捜索願が出され、解放されたのを聞いた家族は泣きながら私を抱きしめてくれたが、一週間も過ぎたらそんなことはもう忘れている感じみたいである。
幸い大学は休学になっており、私は2年の留年をすることになってしまった。ニュースのほうはどうやら私よりも私たちを拉致したほうの犯行グループがどうやらかなり有名らしくそちらばかり報道され、私個人のニュースはほとんど出なかった。
そして、私は何もしたくなく、毎日毎日寝てばかりの日を続けていた。そして休学も終わったので大学に戻ることにした。
マンションに戻ると何かしらの留守電が大量にあったのである。それは戦場で会ったセラからのものであった。
「間中ーー、久しぶり、少しは連絡の返事ぐらいよこしたらどうなんだよ。こっちで面白いビジネスがあるんだが、お前も一緒にやらないか?」と半分酒を飲んだみたいなろれつで彼が言うのでたぶん冗談なのだろう。
「また考えとく」と私はいい、それから大学生活に戻ることにした。
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