雨が降る度に
雨が降るたび僕は思い出す。
君と歩いたあの小道。
アジサイの花が咲いていた。
僕の小さな思いが集まって、
大きな思いに変わっていった。
そんなアジサイが咲いていた。
僕の隣に君はいない。
始まりは、ほんの少しだった。
けれど彼女の笑顔は、確実に僕の心を満たしていた。
段々と大きくなり、やがて僕のすべては彼女になった。
そして突然に彼女は消えてしまった。
心地好い初夏の風、
彼女に届くなら伝えてほしい。
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